2017 Fiscal Year Annual Research Report
フロリゲン複合体の立体構造解析と低分子化合物による花成制御
Publicly Offered Research
Project Area | Determining the principles of the birth of new plant species: molecular elucidation of the lock-and-key systems in sexual reproduction |
Project/Area Number |
17H05836
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
児嶋 長次郎 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 教授 (50333563)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | NMR / 蛋白質 / 立体構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、花成ホルモン・受容体・転写因子・DNA4者複合体の立体構造解析と、花成の制御が可能な低分子化合物の創製によって、植物の生産性や生体機能の精密制御の基盤とすることを目的としている。平成29年度の主要な研究計画は2点で、全自動NMR構造解析システムMagROの開発と、花成ホルモン受容体をターゲットとしたスクリーニングと化合物最適化である。本年度の具体的な研究成果は以下の通り。 立体構造解析では、花成ホルモン・受容体・転写因子・DNA4者複合体をハイブリッド法で立体構造解析するための基盤として、複合体の構成蛋白質個々に単体での立体構造決定を目指した。手法としてX線とNMRの両方を用い、花成ホルモンと受容体の構造解析を進め、受容体単体については立体構造決定に成功した。本年の特筆すべき成果として、150残基程度の小さな蛋白質に適用可能な全自動NMR構造解析システムの開発が挙げられる。特に機械学習技術を導入し、NMR構造決定の専門家と同程度以上の構造決定精度を達成した点は驚くべき成果である。 低分子化合物の創製では、受容体-転写因子相互作用を標的とし、4万化合物を用いたin vitro での一次スクリーニング、植物細胞アッセイ系による二次スクリーニングを完了した。植物個体を用いた開花制御の検証も進め、濃度依存的な開花制御を示す低分子化合物を得ることに成功した。化合物を最適化を目指して蛋白質-薬剤相互作用の解析を進めたが、得られた化合物の溶解度が低いことが明らかとなり、化合物の溶解度を向上させる必要があることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ほぼ当初計画していた通りに研究が進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も当初の計画通り、着実に研究を進める。
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