2017 Fiscal Year Annual Research Report
植物オミックス・知識情報の統合解析による新種誕生の機構解明とデータベース構築
Publicly Offered Research
Project Area | Determining the principles of the birth of new plant species: molecular elucidation of the lock-and-key systems in sexual reproduction |
Project/Area Number |
17H05848
|
Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
矢野 健太郎 明治大学, 農学部, 専任教授 (00446543)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | バイオインフォマティクス / 植物 / オミックス情報 / 知識情報 / データベース |
Outline of Annual Research Achievements |
植物界の様々なオミックス情報に対する比較解析は、植物種の新種誕生の原理の解明を促進する。たとえば、オミックス情報の種横断的な比較解析により、種や生育ステージ・器官、また、環境応答性における固有の生物学的プロセスや特異的な発現遺伝子群を効率的に同定できる。 本研究では、新学術領域・公募班において、他の班員と共同研究を推進すると共に、シロイヌナズナ、イネ、トマト、ソルガム、ブドウ、ジャガイモ、ダイズ、タルウマゴヤシ、トウモロコシ、タバコ、ヒメツリガネゴケなどに対する大規模オミックス情報解析と知識情報抽出を実施する。そのために、オミックス情報に基づく遺伝子発現ネットワーク構築を実施すると共に、データベースPODCを用いた遺伝子発現ネットワークの網羅的な種間比較を可能とする。従来法では、膨大な計算時間・メモリーを要するために、この大規模な遺伝子発現ネットワーク解析を実施できない。本研究では、既に開発済みである大規模トランスクリプトーム解析手法を適用し、多くの植物種の遺伝子発現ネットワーク構築を短期間で実現している。 データベースPODCの活用により、植物種間で進化的に保存されているネットワーク・モジュールや種固有のネットワーク・モジュール、すなわち、新種誕生の原理に関わる遺伝子発現制御機構や生物学的プロセスの同定が促進される。しかし、発現プロファイル情報のみに基づくアプローチでは確度が低く、他のオミックス情報を活用した統合解析が強く求められる。そこで、本研究では、新種誕生に関わる遺伝子群などをより高精度に同定するために、遺伝子機能の知識情報を集積している。この知識情報は、学術文献テキスト情報に対する網羅的かつハイスループットな自然言語処理とマニュアル・キュレーションを通して整備している。 研究成果は、学術論文だけではなく、Webサイトから社会・国民に広く、分かりやすく発信している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
オミックス解析については、年度内に予定していた解析を終了し、新たな網羅的オミックス情報解析に着手している。知識情報の蓄積についても解析ステップの効率化により予定よりも早く進展しており、解析終了分より順次データベースより公開している。
|
Strategy for Future Research Activity |
植物の新種誕生の原理の解明促進を目的として、モデル農作物・植物についての遺伝子発現ネットワーク構築および高精度機能アノテーションの情報解析を展開し、得られた結果をWebデータベースPODCから研究者コミュニティーや社会に発信する。 特に、文献テキスト情報に対する網羅的かつハイスループットな自然言語処理とマニュアル・キュレーションを通して、遺伝子機能に関わる知識情報を集積する。そして、高速シーケンサー・データより構築した遺伝子発現ネットワーク情報に対して、植横断的な比較解析を可能とするとともに、高精度アノテーション情報と統合することにより、植物新種誕生の原理に関わる因子の同定の促進を目指す。 また、植物種間の遺伝子発現ネットワーク情報を統合するために、植物種間オーソログを網羅的に探索する。ここでは、タンパク質機能ドメインの共有性などの指標の導入を検討する。
|
-
-
-
-
[Presentation] AP2-type transcription factor, OsASGR-BBML1, possibly contribute to early zygotic development in rice2018
Author(s)
Rahman, H., Toda, E., Kobayashi, M., Kudo, T., Ohnishi Y., Yano, K., Okamoto, T.
Organizer
第59回日本植物生理学会年会
-
-
-
-
-
-
-
[Presentation] Possible contribution of a paternally expressed AP2-type transcription factor to early zygotic development in rice.2017
Author(s)
Rahman, H., Toda, E., Kobayashi, M., Kudo, T., Ohnishi Y., Yano, K., Okamoto, T.
Organizer
Taiwan-Japan 2017 Plant Biology Conference
Int'l Joint Research
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-