2017 Fiscal Year Annual Research Report
Human-Cognitive Model Interaction based on Mirroring Technology
Publicly Offered Research
Project Area | Cognitive Interaction Design: A Model-Based Understanding of Communication and its Application to Artifact Design |
Project/Area Number |
17H05859
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
森田 純哉 静岡大学, 情報学部, 准教授 (40397443)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 認知アーキテクチャ / ミラーリング / ACT-R |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,個人化された認知モデルによって,ユーザの内部状態(認知・情動の状態)を外在化する技術を「ミラーリング」と呼び,その技術を用いたアプリケーションシステムの開発と実験による検討を進める.この目標に即し,H29年度は以下の2つの項目について,研究開発を進めた. 1. 自伝的記憶のミラーリング: ユーザのパーソナルな写真ライブラリからエピソードを意味的に連結するネットワークを構築し,認知アーキテクチャであるACT-R (Adaptive Control of Thought-Rational) に搭載する手法の開発を進めた.29年度の開発においては,写真撮影時のタグとして,リストバンド型心拍計から得られる情報を付与することの効果を探った.実験参加者は,リストバンド型心拍計を装着した状態で,日常生活を記録する写真を撮影した.写真に付与された情報(exif,心拍,感情評定)から経験を連結するネットワークが構築され,実験参加者はネットワーク上での写真をブラウジングし閲覧した.結果として,実験参加者の記憶のなかで,心拍情報と感情評定が関連することが示唆された. 2. ゲームエンジンとの接合: 仮想環境におけるエージェントにユーザの心的状態をミラーリングするために,3Dゲームエンジンの開発環境と認知アーキテクチャを接合する試みを始めた.ブラックボードアーキテクチャを利用し,3D空間における身体と認知アーキテクチャで表現される脳が通信しつつ,協働する仕組みを構築した.環境探索課題のなかで,認知アーキテクチャのパラメータを変更し,熟考型エージェントと慎重型エージェントを構築した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画どおり,自伝的記憶のミラーリングエージェトに関する実験を進めることができた.また,ゲームエージェントとの接合については,領域内研究者が構築してきた環境と接続する共同研究に進展する見込みがある.認知モデルベースのゲームエージェントを構築することにより,人間と相互作用するエージェントが有すべき認知システムの要件を明らかにすることができる.
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Strategy for Future Research Activity |
自伝的記憶のミラーリングエージェントについて,より規模の大きい実験を実施する.実験参加者にライフログを記録させ,それを認知モデルベースの手法で提示する.また,ゲームエージェントによるミラーリングのプロトタイプシステムを実装し,ユーザ評価を行う.課題の実装や実験手法の検討において,領域内研究者との連携を積極的に探る.
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