2017 Fiscal Year Annual Research Report
NMRによる細胞生理活性と細胞内蛋白質構造の解析
Publicly Offered Research
Project Area | Novel measurement techniques for visualizing 'live' protein molecules at work |
Project/Area Number |
17H05873
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
児嶋 長次郎 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 教授 (50333563)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | NMR / 蛋白質 / 立体構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では生きている細胞内の蛋白質の立体構造を決定するNMR技術の開発を目的としている。具体的には、化学シフト帰属・NOE帰属・構造計算の3つのステップを一体的に自動最適化する全自動NMR構造解析プラットフォームと、細胞内で安定な還元耐性スピンラベル試薬およびキレート試薬を用いた新規NMR測定解析技術を開発し、研究代表者らが開発・整備を進めてきた独自のアミノ酸選択標識技術や本研究で開発する世界最先端のNMR技術・装置を組み合わせることで、生きている細胞内の蛋白質の立体構造を決定するIn-cell NMR技術の確立を目指した。また、様々な細胞状態下でIn-cell NMRスペクトルを測定し、細胞の活動状態とNMRスペクトルを相関させることでIn-cell NMR法を細胞生理活性の検出法として整備することも目的とした。 平成29年度は、生きている細胞内での蛋白質の立体構造を決定するための基礎技術課題、(1)NMR統合解析プラットフォームMagROの開発と、(2)還元耐性スピンラベル試薬およびキレート試薬を用いたNMR測定解析技術の開発、を行った。本年の特筆すべき成果として、150残基程度の小さな蛋白質に適用可能な全自動NMR構造解析システムの開発が挙げられる。特に機械学習技術を導入し、NMR構造決定の専門家と同程度以上の構造決定精度を達成した点は驚くべき成果である。細胞内蛋白質などNOEが少ない蛋白質の構造精密化に常磁性効果PREを利用する方法の確立にも成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
全自動NMR構造解析システムの開発などコンピュータ関係では想定以上に研究が進展したが、細胞実験などに関しては実験室の整備の遅れによってやや遅れた。全体としては、おおむね順調である。
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Strategy for Future Research Activity |
基本的には当初計画通りに進める。細胞実験などでの研究の遅れを取り戻すため、早期に実験室の整備を進める。
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Research Products
(10 results)