2017 Fiscal Year Annual Research Report
Development and application of novel ESR/IR spectroscopic systems for protein dynamics with high time-space resolution
Publicly Offered Research
Project Area | Novel measurement techniques for visualizing 'live' protein molecules at work |
Project/Area Number |
17H05882
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
木村 哲就 神戸大学, 理学研究科, 特命講師 (70506906)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 時間分解測定 / ESR分光法 / 顕微赤外吸収分光法 / マイクロ流路デバイス / フォールディング / ABCトランスポーター |
Outline of Annual Research Achievements |
タンパク質の機能発現機構の解明には『機能発現に伴う分子構造変化』を様々な時空間分解能でとらえることが重要である。 本課題では、スピンラベルESRは微細なコンフォメーション変化を0.1 nm 単位で、赤外分光計測は反応に関連する官能基の局所的な化学構造情報を0.001 nmという高空間分解能で得ることができる分光法を用いて、タンパク質複合体形成に伴う構造変化や、機能部位の電子構造・プロトン化状態の時間変化を解析する。さらに、これら2つの分光法と分子拡散を基礎としたマイクロ流路ミキサーとを組み合わせることによって、反応の時間分解計測が可能な、汎用性の高い装置を作成する。平成29年度はこれらの装置の開発を行った。また、タンパク質の立体構造形成反応および膜タンパク質の反応への応用を目指し、スピンラベル標識試料の調製を試みた。 (1) 時間分解SL-ESR測定法の確立: 新たに設計をした分子拡散型ミキサーを用いて、100 μs~数十秒までの広い 時間幅の中で反応を停止させることのできる系を構築した。 (2) SL試料の調製: ESR測定用の試料はSL標識する必要がある。タンパク質立体構造研究のためにはモデルタンパク質として、4本のヘリックスから構成されるACBPを用い、また、トランスポーターのダイナミクス研究のために膜タンパク質であり、ヘムを輸送基質とするBhuUV-Tを用いた。距離測定に適したアミノ酸残基を選び、部位特異的変異導入法によりシステ インに変異させ、MTSSLという標識試薬によって部位特異的に標識を行った。 (3) 時間分解IR測定用マイクロ流路ミキサーの作製: 化学エッチング処理を行ったステンレススペーサーを2枚のフッ化カルシウム板で挟むことでマイクロ流路を構築し、SPring-8 BL43IRの赤外放射光を用いた顕微鏡に設置し、時間分解計測を可能にした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(1) 時間分解SL-ESR測定法の確立: 新たに設計をした分子拡散型ミキサーを用いて、100 μs~数十秒までの広い 時間幅の中で反応を停止させることのできる系を構築した。 (2) SL試料の調製: ESR測定用の試料はSL標識する必要がある。タンパク質立体構造研究のためにはモデルタンパク質として、4本のヘリックスから構成されるACBPを用い、また、トランスポーターのダイナミクス研究のために膜タンパク質であり、ヘムを輸送基質とするBhuUV-Tを用いた。距離測定に適したアミノ酸残基を選び、部位特異的変異導入法によりシステ インに変異させ、MTSSLという標識試薬によって部位特異的に標識を行った。 (3) 時間分解IR測定用マイクロ流路ミキサーの作製: 化学エッチング処理を行ったステンレススペーサーを2枚のフッ化カルシウム板で挟むことでマイクロ流路を構築し、SPring-8 BL43IRの赤外放射光を用いた顕微鏡に設置し、時間分解計測を可能にした。フェリシアン化鉄(III)の還元反応により時間分解能の見積もりを行なったところ、約100usと決定できた。 以上により、研究計画通りに進捗していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
新規装置の構築が完了したため、平成30年度はスピンラベル標識されたタンパク質を用いたESR測定による立体構造形成反応の追跡、および、時間分解赤外吸収測定によるABCトランスポーターの機能発現時のATP結合反応および加水分解反応の追跡を行う。
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Research Products
(6 results)