2017 Fiscal Year Annual Research Report
駆動関節を有する人工肢の身体化過程における身体表現変容因子の同定
Publicly Offered Research
Project Area | Understanding brain plasticity on body representations to promote their adaptive functions |
Project/Area Number |
17H05906
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
長谷川 泰久 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (70303675)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | ロボット / インタフェース / 後耳介筋 / 振動刺激 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、ロボット指の位置情報呈示装置の開発を行い,その後、後耳介筋を用いたロボット指操作インタフェースを研究・開発した.ロボット指を操作する際,視覚情報に加え、対向する左手指からの体性感覚情報に基づいて操作者はロボット指の位置を知覚することが可能である.しかし,視覚情報に頼ったロボット指の操作では,身体動作のような素早い動作を行うことが困難であると考える.そこで,ロボット指の指先位置を呈示する手法として,振動刺激のファントムセンセーションと呼ばれる錯覚現象を利用した.振動モータを左手の甲の人指し指と小指の中手骨の中間地点にそれぞれ1つずつ取り付け,ロボット指のCM関節角度に応じて振動刺激の強度を調節することで,その先端位置の呈示が可能になると考えられる.ファントムセンセーションの弁別精度を計測するために,20代の健常男性5名に対して実験を行った.被験者は左手の甲に2つ振動モータを取り付け,振動の強度調節の段階を3/4/5段階の3種類を用意し,各種類30回ずつ刺激を呈示し,呈示された刺激を手の甲のどの部分で感じたか,アルファベットで回答してもらった.その結果,4段階以下の刺激の場合70%以上の正答率を得た. 日常ではほぼ使用しない後耳介筋を用いてロボット指を操作し、前述の位置情報呈示装置による振動刺激による位置情報の呈示が操作性に与える影響を調べた.モニタにランダムに表示される到達目標となる左手指へ,ロボット指のCM関節を後耳介筋の筋電にで操作して到達させるタスクを被験者に与えた.振動刺激ありと振動刺激ない場合において、目標へ到達できるようにロボット指の操作を行った.その結果,振動刺激を呈示した場合において,より少ない到達作業失敗回数となった. また実験終了後に被検者から,振動刺激によってロボット指の位置が分かったとの報告を得ることができた.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度では、ロボットの位置情報を振動刺激でフィードバックするデバイスの開発を行い、後耳介筋の筋活動からロボット指を操作するインタフェースに組み込むことで、より位置精度の高い操作が可能となることを実験で確認した。当初の予定どおり進んでいる。
|
Strategy for Future Research Activity |
製作した位置情報呈示装置を用いてロボット指の操作に必要な身体表現を獲得し、フィードフォワード的な運動指令による操作精度の向上を確認する予定である.
|
Research Products
(6 results)