2017 Fiscal Year Annual Research Report
A development of an early psychological treatment for patients with schizophrenia focusing on the discrepancy between explicit and implicit, and children and their parents subjective value recognition
Publicly Offered Research
Project Area | Science of personalized value development through adolescence: integration of brain, real-world, and life-course approaches |
Project/Area Number |
17H05921
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小池 進介 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (10633167)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 主体価値 / 価値の伝播 / 統合失調症 / 早期支援 / 心理社会的介入 |
Outline of Annual Research Achievements |
計画班と密な連携により、平成29年度は主体価値指標の開発と、駒場MRI計測の立ち上げに注力した。 Schwartz et al. 2012の価値観尺度(PVQ)を日本語化し、妥当性と信頼性を検討した。そのうえで、東京ティーンコホート(TTC)で用いられている価値感尺度との妥当性と信頼性を検討した。同様に、TTCで採択されている内発的動機づけ尺度(PLOCQ)の日本語版妥当性と信頼性の検討を行った。これらの詳細な検討から、(1)価値観はSchwartzらの検討しているPersonal/social軸と、Positive/Protective軸の二要因によっておおむね分類できることを明らかにし、(2)TTCの価値感尺度の項目がこうした二軸のどこに位置するかどうか明らかにした。そして、(3)勉強に関する内発的動機づけは、子のPositiveな価値感および親のPersonalな価値観がそれぞれ独立して関係していることを明らかにした。 TTCを用いた解析でも、勉強に関する内発的動機づけと無価値感(Amotivation)が独立して認知機能の向上に関与していることを明らかにした。上記の公募班研究で得られた成果をもとに、平成31年度に完了するTTC第三期調査によって、価値観と内発的動機づけ、さらにWell-beingや認知機能発達などとの因果関係を明らかにできると考えている。 東大駒場キャンパスの3T-MRI, Siemens社製Prismaを用いて、現在進行中のiTTCの継続を駒場にて行うよう計画班より依頼があり、今年度はその整備にも注力した。A01田中、橋本、および新たに参画したA01中谷(進化認知科学研究センター)と密に連携し、駒場でのTTCサブサンプルMRI計測を別途新規に開始した。平成30年2月現在、58名のTTCメンバー、および16-20歳の30名を共通プロトコルにて計測した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画していた主体価値指標の開発は順調に推移し、計画班と密な連携により、TTCデータへの接続は当初の計画以上に進展した。これらの研究成果は平成30年度に論文化可能であり、さらにTTCデータは平成31年度にデータ取得終了と同時に論文化まで持っていける議論ができたことから、総合して当初の計画以上に進展していると考えられる。 当初計画していた駒場MRIを用いた主体価値fMRI実験は、計画班との連携を重視し、150名/2年の駒場MRIサブサンプル計測に切り替えた。平成30年度より進行していたサブサンプルMRI計測をすべて駒場で行うことになり、450名/2年となることで世界的にもまれなバイオサンプルコホートの構築が期待できる。当初計画していたfMRI実験については平成30年度に実施可能か再度検討する。 当初計画していた統合失調症圏の主体価値計測および親子デブリーフィング法開発については、上記に注力していたため遅れている。領域会議で、統合失調症圏に限らず思春期の精神科受診患者全員に適応できる概念であることが確認できたため、思春期患者として検討を行う予定である。該当する倫理軽微修正は完了しており、平成30年度にデータ取得およびデブリーフィングの予備検討を行う。
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Strategy for Future Research Activity |
主体価値指標および内発的動機づけの論文化を行う。サブサンプルMRI計測を引き続き行う。fMRI実験については計画班と引き続き相談しつつ、サブサンプルMRI計測に支障のない範囲で行えるか判断する。思春期精神科受診者群の主体価値計測および親子デブリーフィング法開発について、当初の計画に沿って実施する。
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