2018 Fiscal Year Annual Research Report
思春期の社交不安に対する2種類の認知行動療法の主体価値形成効果
Publicly Offered Research
Project Area | Science of personalized value development through adolescence: integration of brain, real-world, and life-course approaches |
Project/Area Number |
17H05922
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
高橋 史 信州大学, 学術研究院教育学系, 准教授 (80608026)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | アクセプタンス&コミットメント・セラピー / 学校 / 社交不安 / Universal intervention / 介入 / 中学生 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度は,従来型の認知行動療法(以下,CBT)による主体価値形成効果を検証することを目的とした。 甲信越地方の公立中学校に在籍する中学3年生158名のうち,31名を介入群へ,残りの127名を統制群へ,クラス単位で割り付けた。介入群に対しては,通常授業時間を用いて,1回50分の学級単位CBTを,月2回のペースで,計7回実施した。介入開始の1週間前および介入終了から約1ヶ月後には,自己評定式質問紙尺度を用いて,主体的価値の明確化の程度,社交不安,行動問題,学級風土が測定された。統制群には,学級担任からの要望に応じて,すべての測定が終了した後に同様の介入を提供した。 以上の手続きから得られたデータを,ACTの効果を検証した平成29年度のデータと統合した後,ACT群,CBT群,統制群における変化を分析した。分析の結果,ACT群においてのみ,主体価値の測度における「回避の持続」および行動問題の測度における「不注意・多動性」が減少・改善していた。学級風土(生徒間の親しさ)については,ACT群においてのみ有意に向上していた。これらの結果から,学校教育の一環としてACTを中学校で実施することは,中学生が主体的価値を明確化していくプロセスを後押しする効果を持つ可能性が示唆された。 さらに,価値のワークが多動性・衝動性の改善に寄与するという本研究の結果を受けて,追加研究として,報酬機能とADHD症状および精神的健康の相互関連性に関する質問紙調査を実施した。分析の結果,多動性・衝動性の高い人は報酬感受性が強く,報酬感受性の強さは抑うつの緩和に寄与する可能性が示された。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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