2017 Fiscal Year Annual Research Report
Network analysis of adolescent brain using resting state fMRI
Publicly Offered Research
Project Area | Science of personalized value development through adolescence: integration of brain, real-world, and life-course approaches |
Project/Area Number |
17H05923
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
飯高 哲也 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 教授 (70324366)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 自閉スペクトラム症 / 安静時fMRI / 機能的結合性 / デフォルト・モード・ネットワーク |
Outline of Annual Research Achievements |
大規模脳画像データベース( Autism Brain Image Data Exchange:ABIDE)における多数例の安静時fMRIデータ(5-29歳、男性)を用いて、自閉スペクトラム症(ASD、311名)群と健常群(CTL、315名)で脳機能ネットワークを比較検討した。17施設において収集されたデータを用いたため、施設間差をカテゴリ変数として重回帰分析により除去した。皮質下構造物(海馬、扁桃体、被殻、淡蒼球、尾状核、視床)と大脳皮質を結ぶ結合性を解析した結果、視床-皮質間の結合性がASD群でCTL群よりも有意(FDR補正、q<0.05)に亢進していることが分かった。結合性が亢進している皮質領域は側頭頭頂領域と後部帯状回に分布しており、主にデフォルト・モード・ネットワーク(DMN)に関連する領域であった。年齢との関係を見ると、ASD群では年齢とともに結合性が低下し、CTL群では逆に上昇していた。ASD群で視床との結合性が亢進していた皮質領域に限定し、領域間結合性を群間で比較した。42個の皮質領域のうちで18個の結合性が、ASD群においてCTL群よりも有意(FDR補正、q<0.05)に亢進していた。さらに18個のうちで13個の皮質間結合性が、後部帯状回を起始としていた。これらの結果から発達初期のASD群では、視床とDMNの機能的結合性が亢進しており、年齢とともに低下することが特徴と考えられた。従来のような特定の年齢層の被験者のみを用いた解析では、検査時の年齢に合わせた結合性の亢進もしくは低下の混在した結果が得られていたと推測される。本研究結果は広い年齢幅の大規模サンプルによるものであり、その特徴を生かした独自性の高い結果が得られたと考えられる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
大規模脳画像データの解析がほぼ終了し、有意な結果が得られている。来年度の国際学会(ヒト脳機能マッピング学会)での発表要旨も受理されており、進捗状況としてはおおむね順調である。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は国際学会での成果発表を行い、同時に英文論文の執筆を早急に開始する予定である。
|
Research Products
(2 results)