2018 Fiscal Year Annual Research Report
思春期と自閉スペクトラム症当事者研究における主体価値変容メカニズムの解明
Publicly Offered Research
Project Area | Science of personalized value development through adolescence: integration of brain, real-world, and life-course approaches |
Project/Area Number |
17H05929
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Research Institution | Tamagawa University |
Principal Investigator |
飯島 和樹 玉川大学, 脳科学研究所, 特任助教 (60743680)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 認知神経科学 / fMRI / 実験哲学 / 道徳 / 自閉スペクトラム症 / 価値 / 思春期 / 心の理論 |
Outline of Annual Research Achievements |
自閉スペクトラム症群の主体価値計測においては,当事者研究参加前の 20 名において,MRI中にて多数のシナリオに対する道徳判断・意図性判断課題を行っている際の機能画像を計測した.20 名の定型発達群との比較により,自閉スペクトラム症 (ASD) 群においては,負の副作用が生じるシナリオに対する意図性判断が強まる現象(Knobe効果/副作用効果)が有意に減弱していることが明らかになった.また,道徳判断において行為者の意図をどれだけ考慮するかの指標(意図主義指標)が,ASD 群において有意に減弱していることも明らかになった.これら二つの指標間には,個人間で正の相関が見られた.すなわち,強い Knobe 効果を示す参加者ほど,意図主義指標も強いといえる.こうした結果より,負の意図性と負の道徳性との双方向性の連合関係が,ASD 群においては,弱まっていることが明らかになった. さらに,課題中の脳活動の解析の結果,定型発達群のみが,右の頭頂葉および帯状回後部において,正の副作用に対する脳活動が負の副作用に対する脳活動よりも高まっていることが明らかになった.この結果は Knobe 効果の神経機構の解明に新たな示唆を与えるものである.以上の結果については,複数の国際学会・国内学会で報告を行い,神経科学と自由意志に関する第 2 回国際学会では,ポスター賞を受賞した. さらに,期待効用理論と整合的でありつつ,行動変容における 3 つの重要概念をとりいれた行動変容理論(決定理論的行動変容理論)を提案した (Matsumori et al., 2019).この理論は,主体の価値に基づく行動を通常の期待効用最大化モデルに自然な形で組み込んでいるため,行動経済学での行動バイアス研究と組み合わせて行動変容に用いることを可能とするものである.
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)
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[Presentation] The Knobe effect attenuated in autism spectrum disorder and its neural basis2019
Author(s)
Iijima, K., Yomogida, Y., Asada, K., Matsumori, K., Sugiura, A., Kumagaya, S., & Matsumoto, K.
Organizer
The 2nd International Conference on Neuroscience and Free Will
Int'l Joint Research
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