2018 Fiscal Year Annual Research Report
The effect of VMAT1 variants and experiences on emotional differences
Publicly Offered Research
Project Area | Integrative research toward elucidation of generative brain systems for individuality |
Project/Area Number |
17H05934
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
河田 雅圭 東北大学, 生命科学研究科, 教授 (90204734)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | VMAT1 / 精神的個性 |
Outline of Annual Research Achievements |
培養細胞を用いて、VMAT1遺伝子の進化がタンパク質の機能に与えた影響を調べた。各遺伝子型のVMAT1の神経伝達物質の取り込みを蛍光顕微鏡で観察した結果、130Glu/136Asnや130Glu/136Thr、130Gly/136Ileの神経伝達物質の取り込み効率が高かった一方で、130Gly/136Asnおよび130Gly/136Thrの取り込み効率は低かった。これは、Glu130Glyの変化がVMAT1の神経伝達物質の取り込みを抑制し、Thr136Ileは促進することを示している。また、これらの遺伝子型の進化過程をふまえると、人類進化の初期段階ではモノアミンの取り込みが減少したと考えられ、モノアミン取り込み効率の低い136Thrが現代人集団において強い神経質傾向やうつ傾向と関連していることを考慮すると、チンパンジーとの共通祖先からの分岐以降、人類進化の初期段階においては不安や神経質傾向に対して強い正の選択圧が働いていた可能性が考えられた。また、 東北メディカル・メガバンク機構(ToMMo)の大規模コホートデータを用いて、VMAT1遺伝子に働く平衡選択メカニズムの解明を目指した。ToMMoの約7000-9000人分の精神傾向に関わる質問票およびVMAT1遺伝子型データを用いて、一般化線形モデルで解析したところ、Thr型とうつ傾向との関連が示された。また、VMAT1遺伝子型と性別、そして周囲の人々とのつながりの交互作用がうつ傾向に影響を与えることが示された。さらに、ヘテロ型では将来に対する積極性および適応度(子供の数と婚姻経験の有無をもとに変数を作成)が高い傾向が見られた。このように、遺伝子型が表現型に与える影響が状況によって異なること、そして平均してヘテロ型の適応度が高いことが、VMAT1遺伝子多型の維持に働いていると考えられた。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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