2018 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of neuronal activity in the brain underlying individuality
Publicly Offered Research
Project Area | Integrative research toward elucidation of generative brain systems for individuality |
Project/Area Number |
17H05939
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐々木 拓哉 東京大学, 大学院薬学系研究科(薬学部), 助教 (70741031)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 中枢末梢連環 / ストレス / 局所場電位 / 大脳皮質 / 心電図 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、動物の個体ごとのストレス応答の多様性やバラつきが許容されるような実験条件を活用して、行動の変化と生理応答変化の相関を解析した。これを実現するために、従来用いてきた大脳皮質の神経活動(脳波)計測法を多領域に拡張し、海馬、視覚皮質、前頭前皮質など広範な脳活動と、さらに心電図や筋電図、呼吸リズムなどの末梢臓器活動を同時に記録する電気生理計測技術を開発した。こうした計測法を用いて、ラットに社会的敗北ストレスを与えて、表出した生体電気信号を観察したところ、心電図に不整脈や一過的な心拍変動が含まれる群(ストレス感受性群)と、そうでない群(ストレス非感受性群)が存在することが確認された。そこで、ストレス応答に対する末梢臓器応答を個々の動物毎に解析・分類して、大脳皮質の6領域の脳波の変化との照合を進めた。主成分分析とサポートベクターマシーンを用いた多変量解析の結果より、ストレス負荷前の低周波帯の脳領域間のコヒーレンスの度合いが、後のストレス応答の感受性を予測する因子となること、またストレス応答後には、ガンマ帯(20Hz以上)を除くほぼすべての周波数帯において、変動が見られることを明らかにした。さらに、電気生理計測を行うと同時に、マイクロダイアリシス法を用いて脳脊髄液を回収する技術を開発した。この方法により、ストレス応答前後における海馬や線条体などのドパミンやセロトニンなどの神経調節因子の濃度変化を解析したところ、感受性群においては、セロトニンの濃度の変動が大きいことを見出した。本研究成果は、動物の個体差に焦点を当て、同じ実験条件下でも異なる個体応答が見られ、その変動の要因を大脳生理学の観点から理解する一助になると期待される。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(7 results)