2017 Fiscal Year Annual Research Report
Quantitative understanding of brain individuality by visualizing semantic representation in twins
Publicly Offered Research
Project Area | Integrative research toward elucidation of generative brain systems for individuality |
Project/Area Number |
17H05944
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
豊田 峻輔 大阪大学, 医学系研究科, 招へい研究員 (10727415)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 個性 / 双子 / fMRI / ゲノム / エピゲノム |
Outline of Annual Research Achievements |
私たちは個人ごとに独自の方法で多種多様な情報を認識しているが、いかにしてそのような個人差が創発されるのかはあまり明らかになっていない。双生児は遺伝情報をほぼ100%共有する一卵性双生児と、約50%を共有する二卵性双生児に大別され、両集団を比較することでヒトの多様な表現型における遺伝・環境要因を定量化することが可能である。近年、情報通信研究機構 脳情報通信融合研究センター (CiNet) の西本らによって、自然動画視聴下における脳活動の機能的磁気共鳴画像 (fMRI) 計測と機械学習を用いたモデル化を用いることで、個人ごとの脳内イメージや、ヒト、動物、乗物といった脳内意味表象の可視化や定量化が可能となった。しかしながら、双生児を対象とした解析は未だ行われておらず、高次脳内表現における遺伝・環境要因や、その生物学的メカニズム、および社会性や疾患との関連性については謎に包まれたままである。そこで本研究では、日常生活の多種多様な情報を含む自然な動画を視聴中の双生児を対象にfMRIによる脳活動の計測を行うとともに、ゲノム・エピゲノム情報や行動指標、疫学情報を統合することで、自然な視聴覚体験の脳内表現における個人差の遺伝・環境要因を明らかにすることを目的とした。2017年度は、大阪大学ツインリサーチセンターと共同で日本各地から20~30代を中心とした双生児被験者のリクルートを行い、血液検査に基づいた卵性診断と臨床データの取得を行った。その後、対象となる被験者に対して、CiNetの西本伸志主任研究員、西田知史研究員と共同でfMRI計測による1時間以上の自然動画視聴中の脳活動の計測と、アンケートによる性格や認知機能に関する情報の収集を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2017年度末時点でfMRIについては目標としている被験者数について実験を完了することができた。ゲノム・エピゲノム解析については所属機関である山梨大学で新たにヒトゲノム申請をする必要があったが、研究代表者である豊田が年度末に山梨大学から異動することになり、倫理審査と予算執行を年度内に遂行することが不可能と考えられたため、次年度への繰越申請を行い異動先である大阪大学ツインリサーチセンターにて解析を進めることにした。
|
Strategy for Future Research Activity |
当初予定していた最低限の被験者数についてはデータを取得することができた。ただし、双生児研究は日本国内では実施例が限られているため、海外の双生児研究グループと共同研究を行うことで、世界的な研究状況や手法について調べる予定である。得られている脳内表現やゲノム・エピゲノム、行動などのデータ間の関連性を解析して取りまとめ、できるだけ早く学会や論文にて発表を行う予定である。
|
Research Products
(8 results)