2018 Fiscal Year Annual Research Report
他個体認知・社会性および空間認知の基盤となるシナプス分子SEPT3の解析
Publicly Offered Research
Project Area | Integrative research toward elucidation of generative brain systems for individuality |
Project/Area Number |
17H05945
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
上田 奈津実 (石原奈津実) 名古屋大学, 理学研究科, 講師 (60547561)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 空間認知 / 細胞骨格 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、空間認知の遺伝的要因に焦点をあて個性形成の分子脳科学基盤を解明することを目指した。セプチン欠損マウスで見出した空間弁別記憶保持障害について責任領域の確定を行うとともに、セプチンを手がかりに個性の階層的理解を目指し、空間弁別の組織・細胞レベルの基盤を明らかにした。
【行動・組織レベル】空間認知の責任領域は海馬歯状回である(McHugh et al., Science 2007)。セプチン欠損マウスの空間弁別記憶保持障害が歯状回でのセプチン欠損に起因するかの検証を目的として、セプチン欠損/野生型マウスの歯状回における局所的セプチン補填/枯渇が空間弁別記憶保持障害を救済/再現するかを精査した。実験の結果、顆粒細胞が大多数を占める歯状回においてセプチンが発現することが空間弁別記憶保持に必要であることと、セプチン欠損マウスの空間弁別記憶保持障害の正常化には歯状回に限局したセプチンの発現で十分であることが検証できた。併せて、セプチン欠損マウスの空間弁別記憶保持障害が神経系発生・発達過程に起こる不可逆的な後遺障害ではなく、成熟後のセプチン補填で矯正可能であることも示された。
【細胞レベル】電子顕微鏡を用いた連続切片3次元再構築法による形態解析を進め、セプチン欠損マウスでは海馬歯状回でのみ特定の細胞小器官を持つスパインが少ないもののCA領域では正常であること、スパイン形態(シナプス密度、スパイン体積、PSD面積)は海馬全領域で正常であるという結果を得た。さらにライブイメージングを行い、学習・記憶の細胞レベルの素過程であるシナプス伝達の長期増強現象(L-LTP)が誘導された特定のスパインにセプチンを介して細胞小器官が侵入することを見出した。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(8 results)
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[Journal Article] UBL3 modification influences protein sorting to small extracellular vesicles.2018
Author(s)
Ageta H, Ageta-Ishihara N, Hitachi K, Karayel O, Onouchi T, Yamaguchi H, Kahyo T, Hatanaka K, Ikegami K, Yoshioka Y, Nakamura K, Kosaka N, Nakatani M, Uezumi A, Ide T, Tsutsumi Y, Sugimura H, Kinoshita M, Ochiya T, Mann M, Setou M, Tsuchida K.
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Journal Title
Nature Communications
Volume: 9
Pages: 3936
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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