2017 Fiscal Year Annual Research Report
A new optical mothod for defining an individuality of memory
Publicly Offered Research
Project Area | Integrative research toward elucidation of generative brain systems for individuality |
Project/Area Number |
17H05949
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
後藤 明弘 京都大学, 医学研究科, 特定助教 (10741332)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | LTP / Cofilin / 内視顕微鏡 |
Outline of Annual Research Achievements |
光によるLTP解除法の確立 昨年度は、chromophore-assisted light inactivation (CALI)を用い,光にてコフィリンを不活化することで、海馬長期増強(LTP)を起こしたシナプスを特異的に解除する技術を確立した。まず、高効率でCALIが誘導可能なSuperNova (SN)と Cofilinの融合蛋白質(Cofilin-SN)をスライス培養海馬神経細胞のspineに発現させた。sLTPの誘導後10-40分にspineと樹状突起に光を照射してCofilinを不活化すると、スパインが縮小しsLTPが解除された。sLTPを誘導していないspine形態には影響がないため、LTP特異的に誘導から40分以内で解除できると考えられる。電気生理の手法によっても、光でcofilinを不活化することでLTPが解除されることを確認した。 光によるin vivo LTP解除法の確立と記憶の消去 In vivoでLTPの抑制を行うために、AAVにより海馬CA1神経細胞でCofilin-SNを発現させ、光ファイバーを通じて海馬に光照射した。記憶はInhibitory Avoidance (IA) testにより検討した。記憶が形成されたと想定される電気ショックの2-20分後にCALIを行うとDay2での遅滞時間が解消した。一方で電気ショック60分以降、または電気ショック1分前にCALIを行っても記憶に影響はなかった。これはspineのsLTPの結果と一致しており、電気ショックによるLTP誘導40分後までに光照射でLTPが解除された結果、記憶が消去されたと考えられる。以上から、光照射によりCofilinを不活化する本手法は、LTPを特異的に解除可能な新たな光操作技術であり、vivoでLTPを解除することによって記憶を消去する手法を確立した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度は、chromophore-assisted light inactivation (CALI)を用い,光にてコフィリンを不活化することで、海馬長期増強(LTP)を起こしたシナプスを特異的に解除する技術を確立した。これは課題が順調に進展していることを示している。 さらにIn vivoでLTPの抑制を行うために、AAVにより海馬CA1神経細胞でCofilin-SNを発現させ、光ファイバーを通じて海馬に光照射した。記憶はInhibitory Avoidance (IA) testにより検討した。記憶が形成されたと想定される電気ショックの2-20分後にCALIを行うとDay2での遅滞時間が解消した。以上から、光照射によりCofilinを不活化する本手法は、LTPを特異的に解除可能な新たな光操作技術であり、vivoでLTPを解除することによって記憶を消去する手法を確立した。これも課題がおおむね順調に進んでいることを示している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は内視顕微鏡の作成を行う。それによって、カルシウムイメージングによるとLTP解除を同時に可能とする。その結果、セルアセンブリがいつどこで形成されるかを検討する。また行動実験の結果とセルアセンブリの関係を検討することによって、記憶の個性を細胞レベルで突き詰めていく予定である。
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