2018 Fiscal Year Annual Research Report
細胞のターニング応答に関する数理動態解析から網羅的解析へのアプローチ
Publicly Offered Research
Project Area | Integrative understanding of biological signaling networks based on mathematical science |
Project/Area Number |
17H05992
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
澤井 哲 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (20500367)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 数理モデル / 適応応答 / ターニング |
Outline of Annual Research Achievements |
細胞運動のモデル生物種である細胞性粘菌や好中球様HL60細胞の研究進展から、Ras, Racなどの低分子量Gタンパクなどの走化性シグナルの実態の理解が進んでいる中、これらの細胞内シグナルと細胞動態の関係は複雑であり、その因果の理解には、数理モデル解析と実験解析との深い連携が必須である。本研究では、受容体直下のCdc42, Rac, Ras, PI3Kなどの因子が、刺激変化の時定数や濃度レンジの情報を選択的にかつ時間順序をもって伝え、細胞のターニング行動がどのように実現しているか、マイクロ流体デバイスを用いた刺激の時空間制御とライブセル測定解析をおこなった。特に2年度は、実際の顕微鏡データの解析と、コアネットワークを数理モデルで定式化した解析との比較のため、機械学習による特徴量抽出をおこない、形状パターンと運動パターンとの対応関係を調べた。具体的には、ターニング様式の違いの基盤にあると考えられる極性の強さ、ならびに仮足形成の頻度とその空間的なバイアスに注目し、その違いをもっとも顕著に表していると考えられる3つの細胞腫として、細胞性粘菌、好中球、魚ケラトサイトに注目した。これらのスナップショットデータを移動方向の向きと細胞サイズをそろえたマスク画像として規格化し、畳み込みによる深層学習によって、これら3種の細胞に類型的な3つの細胞形状を分類させた。この過程で得られた特徴量パラメータを、フェーズフィールド法を用いて定式化した数理モデルの数値計算結果の解析に用いた。モデルは、代表者らのこれまで解析してきたモデルに、Rho-GTPの状態遷移に関わる反応を組み込んだものを採用した。特徴量空間による比較による、モデルパラメータ選定により、典型的な細胞形態とその運動様式の違いの対応を明らかにした。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(17 results)