2017 Fiscal Year Annual Research Report
細胞外の多様な環境硬度に応じた細胞分化を制御するHippo-YAPシグナルの解析
Publicly Offered Research
Project Area | Integrative understanding of biological signaling networks based on mathematical science |
Project/Area Number |
17H05996
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
仁科 博史 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (60212122)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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Keywords | 神経 / JNK / MKK7 / 概日リズム |
Outline of Annual Research Achievements |
神経系は生体の恒常性維持のために概日リズムや運動など様々な機能を制御している。しかしながら、神経発生および維持機構については不明な点が多い状況である。申請者のグループは、Hippoリン酸化シグナル経路に加えて、JNKリン酸化シグナル経路の観点から神経発生および維持機構を研究している。MKK4とMKK7はJNKをリン酸化して活性化する上流のリン酸化酵素であり、申請者らは、MKK4とMKK7を欠損するマウスの作出から、本シグナル経路の生理的役割を解明してきた。これまでに神経幹細胞で特異的にMKK7を欠損すると、脳の形成過程に異常を生じ、生後すぐに致死となること、また、哺乳動物培養細胞でMKK7を欠損すると、細胞時計の周期が異常になる(伸長する)ことを報告してきた。平成29年度は、1)マウスの脳でJNKが恒常的に活性化していること、2)成体マウスの神経細胞で特異的にMKK7欠損すると、概日リズムの周期が異常になる(周期が伸長する)こと、2)加齢に伴って徐々に後肢に顕著な筋力の低下を示すこと、3)著しい歩行困難になることを見出した。最近、ヒトの統合失調症患者の中に MKK7 遺伝子に変異が報告され注目されている。概日リズム障害や加齢 依存的な運動能低下に関する本研究成果は、今後、精神や運動に障害を持つヒト疾患の原因解明に貢献する可能性がある。本研究成果はScientific Reportsに掲載された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究成果を英文原著論文にまとめることができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
JNKシグナル経路の神経細胞内での生理機能の解析を行うとともに、Hippoシグナル経路の生理機能の解析を行う。
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Research Products
(9 results)