2017 Fiscal Year Annual Research Report
山火事の熱と煙で目覚めるアカパンカビ子嚢胞子のシグナル伝達経路網
Publicly Offered Research
Project Area | Integrative understanding of biological signaling networks based on mathematical science |
Project/Area Number |
17H05998
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
本田 信治 福井大学, 学術研究院医学系部門, 助教 (90632167)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 応用微生物学 |
Outline of Annual Research Achievements |
アカパンカビ子嚢胞子は山火事で発生した約50℃を超える熱、もしくは煙成分を感知して休眠解除する。当初の計画に従い、アカパンカビのゲノム防御機構RIPを利用し、これまでに同定した因子群を選択的に変異させ、熱への感受性が変化する機能変異株を単離するスクリーニングを実施した。しかし、RIPによる選択的な機能変異率よりも自然発生するゲノム全体のランダム変異率が著しく高かったため、失敗に終わった。一方、熱と煙感知の関係を詳細に調べた結果、煙成分は濃度依存的に休眠解除の温度閾値を下げることがわかった。そのため、煙成分シグナル伝達経路が熱感知因子の上流に位置し、この最下流のリン酸化酵素の標的が熱感知因子であることが示唆された。更に、煙成分シグナル伝達経路の上流因子群の欠損株を網羅的に解析した結果、煙成分応答が著しく低下する膜受容体候補を2つ同定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
RIPを利用したスクリーニングを計画通りに進めたが失敗に終わったため。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度では、「煙」成分受容体経路の最末端因子がリン酸化酵素であることから、熱感知因子と直接相互作用・リン酸化することで、その温度閾値を制御するという仮説を立て、熱感知因子の同定とその制御機構の解明を目指す。同様に、熱感知後のシグナル伝達から休眠解除へ導く細胞内シグナル変換の分子経路機構の解明を目指す。
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