2017 Fiscal Year Annual Research Report
構造学習の脳計算モデル:脳イメージング実験と大規模WEB調査による検証
Publicly Offered Research
Project Area | Correspondence and Fusion of Artificial Intelligence and Brain Science |
Project/Area Number |
17H06022
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
鈴木 真介 東北大学, 学際科学フロンティア研究所, 助教 (90525578)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | fMRI / 構造学習 / 意思決定 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、機械学習・人工知能分野で培われた計算論的アプローチを機能的磁気共鳴・脳イメージング実験(fMRI)と組み合わせることで、「経験から直接学習することが難しい“環境の隠れ構造”を、ヒトがどのように学習しているのか?」について脳の計算という観点から明らかにすることを目指す。具体的には、学習の過程を記述・再現し得る計算論モデルを構築することでその背後にある計算理論やアルゴリズムを特定し、モデルと脳活動の対応を検証することでそれを支える脳機能の解明を目指す。 2017年度は予備的な心理実験を行い、「ヒトは環境の隠れ構造を学習できるのか?」について検証した。実験のおける被験者の行動を解析した結果、被験者が「ある選択肢を選択すると報酬量が減少し,選択しないと報酬量は増加する」という環境の隠れ構造を適切に学習できることが示唆された。今後は被験者の行動や学習の過程を記述・再現し得る計算論モデルを構築することで、「環境の隠れ構造の学習」の背後にある計算理論やアルゴリズムを特定し、モデルと脳活動の対応を検証することでそれを支える脳機能の解明を目指す予定である。 また、2017年度には、WEB上で1200人の被験者を対象にした大規模心理実験を行い、ヒトの学習・意思決定様式と各種の精神疾患傾向との関係を検証した。現在、予備的な解析を進めているが、ヒトの強化学習様式が強迫神経症傾向と相関している可能性が示唆されている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
脳イメージング実験(fMRI)の予備心理実験と並行して、大規模WEB実験のデータを採取するところまでできた。以上の点から、計画の遂行は概ね順調であるといえる。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は予備実験のデータ解析を進め、被験者の行動や学習の過程を記述・再現し得る計算論モデルを構築することで、「環境の隠れ構造の学習」の背後にある計算理論やアルゴリズムを特定することを目指す。また、機能的脳イメージング実験を行い、構造学習を支える脳機能の解明を目指す予定である。また、大規模WEB実験のデータ解析も並行して進める予定である。
|
Research Products
(7 results)