2017 Fiscal Year Annual Research Report
感覚予測と報酬予測に基づく運動学習の計算理論的理解と脳内基盤の解明
Publicly Offered Research
Project Area | Correspondence and Fusion of Artificial Intelligence and Brain Science |
Project/Area Number |
17H06023
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
井澤 淳 筑波大学, システム情報系, 准教授 (20582349)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 運動学習 / 強化学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
ロボット運動学習とヒト運動学習の比較対照を通じた「ヒト運動学習における強化学習システムの役割」の解明は,極めて重要な研究課題である.しかし,ヒト強化学習の研究の多くは,意思決定や系列行動を対象としており,その運動学習に対する役割は明らかでなかった.一方,代表者は運動学習における報酬情報の役割を世界で初めて明らかにし,強化学習との関連を示唆した.しかし,その脳内メカニズムは未だ十分に解明されていない.そこで,本研究では,運動学習における探索ノイズの変化に着目し,強化学習と順モデル(感覚予測のためのモデル)の学習に関わる脳部位を,計算モデルに基づいた機能イメージング解析によって明らかにする.特に,大脳基底核と小脳の相互作用を同定することで,「強化学習における順モデルの役割」と「順モデル獲得における強化学習の役割」に加えてそれらの相互作用が担う計算論的機能を明確化する. 平成29年度は、fMRI実験で実施する運動学習課題を開発した。この報酬駆動型学習課題では、手先運動に関する視覚フィードバックをブロックした状態で、タスクの成功・失敗に関する報酬情報をフィードバックした。被験者は報酬情報のみから運動方向を探索的に更新することで、最適な運動方向を学習した。この課題をMRI対応型のタブレットに実装し、スキャナー内で運動学習実験を実施した。さらに計算論的モデル規範型のfMRI解析手法を開発し、潜在変数に対する脳内相関を求めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
報酬駆動型の運動学習実験をMR対応型タブレットに実装した。計測した運動系列を元に運動記憶と探索ノイズを推定する技術を開発した。課題遂行中に脳機能画像を取得し、運動記憶と探索ノイズに関わる脳内相関を推定した。
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Strategy for Future Research Activity |
さらにfMRI実験を遂行する。また、報酬予測誤差に関する実験に加えて、報酬予測誤差と感覚予測誤差のインタラクションに関する計算論的モデルと検証実験課題を開発する。
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Research Products
(3 results)