2018 Fiscal Year Annual Research Report
人工知能と神経基盤の相互参照アプローチによる視覚-価値変換機構の解明
Publicly Offered Research
Project Area | Correspondence and Fusion of Artificial Intelligence and Brain Science |
Project/Area Number |
17H06033
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Research Institution | National Institute for Physiological Sciences |
Principal Investigator |
近添 淳一 生理学研究所, 脳機能計測・支援センター, 准教授 (40456108)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 深層学習 / 機能的MRI / 価値 / 人工神経回路 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年の研究から、画像認識を行う人工神経回路と生体脳の情報表現が類似していることが明らかにされており、VGG16をはじめとする深層学習モデルは腹側視覚路のよい近似となっていることが示唆されている(Yamins et al., 2014; Khaligh-Razavi & Kriegeskorte, 2014)。本研究においては、視覚情報を価値情報に変換する神経機構の構造を探るために、深層学習モデルを利用した。具体的には美術品オークションのデータベースから取得した4万件の取引結果(画像と価格の対データ)を用いて、人工神経回路に画像と価格の関係を学習させ(転移学習)、視覚-価値変換の数理モデルを作成した。次に、経済活動を模したオークション課題において、被験者が入札価格を決める際の脳活動を機能的MRIによって計測した。さらに、作成した人工神経回路に機能的MRI実験で用いた視覚刺激(美術品画像)を入力し、各階層においてこれらの刺激がどのように表現されるかの推定を行った。さらに、これらの視覚刺激間の類似度を各階層で計算し、これと脳活動の空間的パターンの類似度との対応を調べた。脳活動の類似度は、脳内の各領域で個別に求めることができるので、リッジ回帰による表象類似度分解を適用することにより、人工神経回路の各階層と対応する脳領域を同定することができた。その結果、いずれの学習段階でも、後頭葉においては入力層(視覚情報)に近い階層との対応が見られ、脳の前方に行くにつれて、出力層(価格)に近い階層との対応が見られた。さらに、学習初期には島皮質を含む多くの領域が価値関連領域であるかのように見られていたが、十分学習を行った(学習後期)モデルを用いて対応を調べると、大部分は価値情報そのものではなく、視覚と価値の中間的情報を表現していることが明らかになった。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)