2018 Fiscal Year Annual Research Report
あきらめない心を育む:意志力創成のための介入プログラムの提案と検証
Publicly Offered Research
Project Area | Creation and Promotion of the Will-Dynamics |
Project/Area Number |
17H06058
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
中島 健一郎 広島大学, 教育学研究科, 准教授 (20587480)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 社会経済的地位 / 精神的健康 / shifting / persisting |
Outline of Annual Research Achievements |
Shift-and-persist strategiesは,日々の生活の中で遭遇している逆境の中でのストレスフルな出来事の良い側面について考え,それを自身にとって脅威と考えないようにすること (shifting)と,逆境の中で人生の意味を見出だしつつ,自分自身の将来に希望を持つこと (persisting)を併せた認知的方略を指す。この方略にかかわる理論の精緻化を目指し,(1)社会経済的地位が低い個人に着目した上で,精神的健康に関する複数の指標に対してshift-and-persist strategiesが有用かどうか検証するための調査的検討を実施するとともに,(2)養育者からの観察学習によって方略を学習できるかどうかを検証するための親子ペアデータの収集・解析を行った。さらに,(3)大学生を対象とした介入実験のデータの解析を行った。主たる成果を以下に示す。 (1)に関して,人生満足度・Grit(やり抜く力)・抑うつ傾向に関する4つの調査データを解析した結果,社会経済的地位が低い個人の抑うつ傾向に対して,shift-and-persist strategiesがとりわけ有効であることがメタ分析によって示された。次に,人生満足度やGritについては,社会経済的地位の水準に関わらず,persistingの相対的影響度が大きいことが確認された。(2)に関して,中学生とその親の調査データを解析した結果,shiftingとpersistingともに,親子間で正の相関が認められた。この結果はShift-and-persist strategiesの理論的主張を支持する結果である。最後に(3)に関しては,社会経済的地位が高い大学生において心理教育によるpersistingの改善が認められるのに対して,社会経済的地位が低い大学生では逆効果であることが示唆された。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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