2017 Fiscal Year Annual Research Report
Motivational control of memory formation in zebra finch song learning.
Publicly Offered Research
Project Area | Creation and Promotion of the Will-Dynamics |
Project/Area Number |
17H06063
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Research Institution | Okinawa Institute of Science and Technology Graduate University |
Principal Investigator |
杉山 陽子 (矢崎陽子) 沖縄科学技術大学院大学, 臨界期の神経メカニズム研究ユニット, 准教授 (00317512)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 歌学習 / 青斑核 / ノルアドレナリン / キンカチョウ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、このキンカチョウの歌学習をモデルとして用い、どの様に注意といった動物個体の内的要因が記憶の形成を制御するのか、その神経メカニズムを明らかにすることを目的とて研究を行っている。平成29年度は、歌学習をしている最中のキンカチョウヒナの注意などを司る脳内の神経核、青斑核から神経活動を記録し、実際の親の歌を聴いている時や、スピーカーから歌を聴いている時、また親の姿を見た時などにどの様な神経活動の変化があるのかを調べた。その結果、実際の親の歌を聴いた時にのみ、通常の高頻度な神経活動が停止する現象がみられることを明らかにしてきている。また一方で、研究代表者の研究室にでは、高次聴覚野において、歌学習後に一部の神経細胞群が親の歌に特異的な聴覚反応を示すようになることを明らかにしていたが、さらにこの神経細胞群の聴覚応答は親鳥の存在によって増強される一方で、特異的な反応を示さない細胞群の聴覚反応は親の存在下でも変化しないことを明らかにした(Yanagihara&Yazaki-Sugiyama,2018)。さらにこの高次聴覚野は先の青斑核から入力を受けていることを明らかにしている。 今後は青斑核からの記録を行う一方で、この青斑核の活動が高次聴覚野の聴覚応答にどの様な影響を与えるのか、またそれがどの様に歌学習に関連するのか明らかにしていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題は平成29年度に開始されたが、研究代表者らの仮説に沿った研究結果が得られているため、順調に研究計画が進んでいる。一方で、予想されていなかった知見も得られているため、非常に面白い展開が見られ、今後の更なる研究に繋がっている。またこの研究の元となっている研究結果も論文として発表することが出来ており、予想以上に順調に進んでいると言える。来年度に向けては29年度に得られ始めている実験結果を追従し、確実にすると共に、さらにこれまでの様々な結果を統合的に解釈できるような研究を進めていく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度はこれまでの研究をさらに推進し、青斑核からの記録を行う。さらにこの青斑核の活動がどのように聴覚応答を制御するのか明らかにするため、高次聴覚野からも神経活動の記録を行い、青斑核の神経活動との関連性を明らかにする。さらに青斑核から高次聴覚野への投射経路の活動を制御しながら聴覚野の神経活動を記録することで青斑核の神経活動がどの様に聴覚野の聴覚応答を制御しているのか明らかにし、動物の注意といった内的状態がどのように記憶の形成を制御しているのかその神経メカニズムを明らかにすることに貢献する。
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Research Products
(2 results)