2018 Fiscal Year Annual Research Report
Effect of postures and gestures on the recognition of facial expressions of emotion
Publicly Offered Research
Project Area | Construction of the Face-Body studies in transcultural conditions |
Project/Area Number |
18H04205
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
渡邊 伸行 金沢工業大学, 情報フロンティア学部, 准教授 (90531848)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 顔面表情 / しぐさ / 姿勢 / 表情認知 / 顔印象 / 記憶 |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度は、(1)実験用画像の撮影、(2)表情認知としぐさを組み合わせた画像の評価実験、を中心に実施してきた。 (1)については、大学生をモデルとして、表情、しぐさ、姿勢の演技をしてもらい、その静止画像をデジタルカメラで撮影して取得した。表情はFacial Action Coding System (Ekman et al., 2002) に定義されている基本表情 (喜び、驚き、恐れ、悲しみ、怒り、嫌悪) に関わる顔面筋動作をモデルに演じてもらった。しぐさと姿勢は、Body Movement Scoring System、Posture Scoring System (Bull, 1987) に基づく演技をモデルに教示し、撮影した。ここで取得した画像を用いて、次年度に印象評価実験を実施する。 (2)については、既に取得していた表情としぐさを組み合わせた画像を用いて、印象評価実験を実施した。実験刺激として、モデル2名 (女性1名) による表情 (喜び、驚き、怒り、無表情) と8種類のしぐさ (手で口を覆う、鼻をつまむ、など) を組み合わせた画像に、しぐさなしの画像を加えて、合計72点の画像を用いた。72点の画像に対する、12項目の形容詞対を用いた評定実験を実施した。実験で得られた評定値を用いて因子分析を実施した結果、従来の表情認知実験で繰り返し見出されてきた“評価性”(快―不快)、“活動性”の2因子が本研究でも抽出された。因子空間における各画像の布置を精査したところ、例えば“腕を組む”は表情が示す情動をより強調する効果があるなど、しぐさが表情認知に何らかの影響を及ぼすことが示唆された。 なお、本課題に部分的に関連する研究として、(3)顔部位の配置と印象の関係、(4)顔の記憶表象の言語化、に関する検討も行った。これらの研究で得られた知見を次年度は本課題に何らかの形で反映させたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度で実験刺激となる画像の撮影と評価項目の検討を行ってきた。また、以前に取得した画像を用いた評価実験も実施した。したがって、本研究の研究課題は概ね順調に進んでいると言える。 未達成の問題として、(1)しぐさ、姿勢の絞り込み、(2)動画の実験刺激の撮影、が挙げられる。(1)については、Body Movement Scoring System、Posture Scoring System (Bull, 1987) に定義されているしぐさや姿勢のうち、どれを研究対象にするか、という絞り込みができていない。予備実験を通して、表情認知への何らかの影響が見込めるしぐさや姿勢を絞り込みたい。(2)については、動きを伴うしぐさの動画を取得して、表情認知に及ぼす影響や、静止画像との印象の違いについて検討したい。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は静止画像や動画像の取得、および実験用刺激の刺激を、予備実験に基づいて行う。実際に評定実験を実施して、しぐさや姿勢が表情の認知にどのような影響を及ぼすか、精査していきたい。 また、しぐさ、姿勢そのものがどのような印象を与えるか、ということについても検討したい。この問題に関連して、アニメやゲームのキャラクターデザインに着目した検討も行いたいと考えている。アニメやゲームに登場するキャラクターは、何らかのポーズを取ったり、そのキャラクター特有の道具を手にしている。そういったポーズがどのような印象をもたらすか検討することで、クリエイターが経験則に基づいて行っているデザインの法則性を見出すことを目指したい。またそうすることで、人がしぐさや姿勢をどのようにとらえているか、何らかの示唆が得られることを期待している。
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Research Products
(5 results)