2018 Fiscal Year Annual Research Report
controlling optical dynamics by using topological phases
Publicly Offered Research
Project Area | Frontiers of materials science spun from topology |
Project/Area Number |
18H04210
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
小布施 秀明 北海道大学, 工学研究院, 助教 (50415121)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | トポロジカル相 / エッジ状態の動的制御 / PT対称性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,光学系に備わるトポロジカル相を活用することにより,新奇光学デバイスの開発,及び量子情報の分野で必要とされる光子の量子状態制御への応用を踏まえ,光ダイナミクスを時空間で制御するための手法の開拓を目指した研究を行うことである. 以前の研究では,静止した1次元系のエッジ状態(ゼロ・エネルギー状態)に対し,トポロジカル相の相境界を等速で移動させることによりエッジ状態の状態輸送を行う場合,ローレンツ不変性を用いた解析より,ローレンツ収縮によるエッジ状態の局在長が収縮し,さらにゼロ・エネルギー状態以外への状態遷移が生じることを,1次元量子ウォークに対して示した.本年度は,これらの結果を踏まえ,トポロジカル相が加速度運動を伴う動的変化を行う場合の1次元系におけるエッジ状態の輸送方法,および安定性について理論研究を行った.その結果,制御時に,加速時間域,等速移動時間域,減速時間域の3つの時間域に分け,加速時間域と減速時間域では断熱過程を用いた制御を行い,等速移動時間域では解析計算における厳密解を踏まえた制御を行うことにより,高速な状態輸送が可能となることが分かった。 さらに,この手法における状態輸送の安定性を忠実度により定量的に評価したところ,適切な条件下では忠実度が99.9%以上になることが分かった.さらに,静的,および動的な乱れがある系において,上記手法の安定性を忠実度を計算することにより評価した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
エッジ状態の状態輸送において,加速度運動を伴う制御時に高い安定性を保つことが本研究目的の大きな課題であったが,本年度の研究により,その課題を克服できることができた.この結果をまとめた論文を現在執筆中である.
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は,前年度に確立した手法をさらに改良するために、加速時間域と減速時間域における制御手法として,shorcut to adiabaticityの適用などを行い,最適な制御手法について研究を行う.さらに,2次元系におけるトポロジカル欠陥に由来する局在状態の輸送制御を行うために,本手法を2次元系へ拡張する. また,カイラル・エッジ状態を有する2次元系に対して,トポロジカル数の符号を動的に変化させた時のエッジ状態の安定性に関する研究を行う.
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