2018 Fiscal Year Annual Research Report
Computational Analyses for extremely difficult substrate conversion reactions
Publicly Offered Research
Project Area | Precise Formation of a Catalyst Having a Specified Field for Use in Extremely Difficult Substrate Conversion Reactions |
Project/Area Number |
18H04233
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
森 聖治 茨城大学, 理工学研究科(理学野), 教授 (50332549)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 量子化学計算 / 反応機構 / 電子状態 / 金属触媒 / 非共有結合性相互作用 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1) インドール置換のサレンCu(II)錯体の1電子酸化体の電子状態 インドール置換のジメトキシサレンCu(II)錯体およびメチル置換のジメトキシサレンCu(II)錯体の1電子酸化体に対して、UV-NIRスペクトル、EPRスペクトルを組み合わせて比較・検討し、インドールとサレン配位子とのπ-π相互作用の電子状態に対する重要性を明らかにした。この系では、構造最適化と振動解析に、CAM-B3LYP+D3(PCM)/def2SVPレベルを用いた。この成果を学術誌論文に報告した。さらに、ジメトキシサレンCu(II)錯体については、X線結晶構造解析による構造をもとに、EPR, ECD, K-edge XANESスペクトルとDFT計算結果とを比較した。 (2) 銅―ヒドロキシアミノホスフィン共同触媒による不斉アルキニル化反応 北海道大学の澤村教授と共同で、Cu(I)―プロリノール協同触媒存在下アルキンのC-H結合活性化反応を通じたα―ケトエステルの不斉アルキニル化反応を開発した。この反応では、4級不斉中心を構築する。エナンチオ選択性における弱い非共有結合性相互作用(C(sp3)-H..O相互作用及び分散相互作用)の重要性について見いだした。 (3)面不斉ホスフィン-オレフィン配位子を用いたRh触媒不斉1,4-付加反応のエナンチオ選択性の解明 大阪府立大学の神川教授と徳島大学の小笠原教授らが新たに開発されたホスフィン-オレフィン配位子を用いたRh触媒不斉共役付加反応をDFT計算を用いて検討した。この反応でも、C(sp3)-H..O相互作用など非共有結合性相互作用の重要性を明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画に記した、次亜ヨウ素酸イオン触媒によるエーテル環化反応や鉄触媒C-X結合活性化に関する理論的研究のテーマについては困難な面もあるが、現在、進行中である。一方、いくつかの研究に対して、学術誌論文に報告し、班員との共同研究により、新学術領域の発展に寄与した。
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Strategy for Future Research Activity |
現在進行中の研究テーマについては、実験を行っている班員等と議論をしながら、進めていく。また、我々から実験家への実験を提案する予定である。
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Research Products
(13 results)