2019 Fiscal Year Annual Research Report
アート錯体の精密制御によるヘテロ芳香環の開環と原子挿入
Publicly Offered Research
Project Area | Precise Formation of a Catalyst Having a Specified Field for Use in Extremely Difficult Substrate Conversion Reactions |
Project/Area Number |
18H04254
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
依光 英樹 京都大学, 理学研究科, 教授 (00372566)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | アザボリン / ヘテロ芳香環 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は、アート錯体を用いてピロール類縁体の開裂と原子挿入を実現する手法を探索した。その結果、アート錯体では反応がうまくいかなかったものの、金属リチウムによる還元的ジリチオ化を利用することでインドールのC-N結合が切断され、対応するジアニオン種が生成することを明らかにした。インドールに対してTHF溶媒中-30℃で5当量のリチウム粉末を作用させることで目的の開環ジリチオ化が進行し、プロトン化の後2-ビニルアニリンが95%の収率で得られることを明らかにした。続いて、開環ジリチオ化中間体に対しホウ素求電子剤を作用させることで、インドールに対するホウ素挿入を試みた。開環ジリチオ化中間体を発生させた後、反応溶液に残存するリチウム粉末をアルゴン雰囲気下においてガラスフィルターにより取り除き、得られた溶液に対し有機ボロン酸ピナコールエステルを加えた。すると期待した通りホウ素が挿入されたベンズアザボリンが得られた。本反応には様々な有機ボロン酸ピナコールエステルを適用することができ、多くの新規ベンズアザボリンの合成に成功した。ホウ素挿入過程は非常に速やかに進行し、トリフルオロメチル基やケトン、エステルなどの官能基を有するホウ素求電子剤からも問題なく目的物が得られた。さらにピリジン環やアルキル基など様々な置換基を有するベンズアザボリンの合成にも成功した。また、orthoブロモフェニル基を持つアザボリンに対しパラジウム触媒を用いた分子内C-Hアリール化を施すことで、分子内にBN構造を有する多環式芳香族化合物の合成にも成功した。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(42 results)