2018 Fiscal Year Annual Research Report
Asymmetric Functionalization of Unreactive C-H Bonds via Chain Walking Using Precisely Designed Catalysts
Publicly Offered Research
Project Area | Precise Formation of a Catalyst Having a Specified Field for Use in Extremely Difficult Substrate Conversion Reactions |
Project/Area Number |
18H04271
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
河内 卓彌 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 准教授 (70396779)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | チェーンウォーキング / パラジウム触媒 / 不斉合成 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度まで検討を行ってきたチェーンウォーキングを経る様々な1,n-ジエン類の不斉環化異性化による五員環形成反応に関して、今年度は更なる基質検討の実施、およびその手法の確立について検討を行った。昨年度までの不斉収率決定法では形成した五員環骨格上にイソプロピル基をもたない生成物のエナンチオ選択性の決定は困難であったため、今年度はまずキラルカラムを用いたHPLCによる分析法を検討し、またこれを用いた不斉収率決定手法を確立した。続いて、本手法を用いて様々な1,n-ジエンの不斉環化異性化反応の検討を行ったところ、基質による反応性の違いが確認され、70%以下程度の不斉収率で環化異性化生成物が得られることが分かった。まず、末端アルケン部位に代えて内部アルケン部位をもつ基質を用いたところ、以前の基質と同様のエナンチオ選択性、および中程度の収率で目的物が得られた。一方、末端アルケン部位を1,1-二置換アルケンとした場合には、反応はほとんど進行しなかった。また三置換アルケン部位(プレニル基)を1,2-二置換アルケンとした場合には、高収率で反応の進行が確認できたものの、エナンチオ選択性は大きく低下する結果となった。またプレニル基の二つのメチル基をエチル基とした場合には、収率、エナンチオ選択性がともに低下したが、プレニル基の2-プロピリデン部位をシクロヘキシリデン部位に代えた場合には、収率、エナンチオ選択性ともに、若干の低下にとどまった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
検討可能な基質の種類が拡大したことにより、今後様々なタイプの基質を用いた不斉触媒反応の検討が可能となり、今後の本研究の発展に重要な足がかりができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
環化異性化反応における不斉収率の改善を様々な基質を用いて検討するとともに、状況に応じて反応条件の検討による収率、選択性の更なる向上を試みる。また、チェーンウォーキングを活用した他のタイプの不斉反応に関しても同様の検討を行う。
|