2018 Fiscal Year Annual Research Report
固体表面上における金属錯体の精密固定化による高機能化触媒の創製
Publicly Offered Research
Project Area | Precise Formation of a Catalyst Having a Specified Field for Use in Extremely Difficult Substrate Conversion Reactions |
Project/Area Number |
18H04273
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Research Institution | Tokyo University of Technology |
Principal Investigator |
原 賢二 東京工科大学, 工学部, 教授 (10333593)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 触媒 / 固定化 / 金属錯体 / メソポーラス有機シリカ / 単分子層 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者は、構造が規整された固体表面の上に緻密に設計した分子の高密度な集積体を利用することを着想し、種々の高密度金属錯体単分子層の形成およびそれらの触媒反応への応用を行ってきた。本研究では、これらの知見と技術を活用して、領域内で開発されている金属錯体の精密固定化を行い、高機能な触媒反応場を構築することを目的とした。 そこで、研究期間内に、①触媒活性種の定常的発生と失活機構の抑制による高活性触媒反応場の精密創成、および②担体表面の特性を活用した周辺反応空間の緻密な分子設計による特異な選択性の発現と制御を達成することとした。 当該年度は、領域内で開発されている金属錯体を構造が規整された固体表面上に精密に固定化する検討を行った。この目的のために用いる構造が規整された表面としては、(a)メソポーラス有機シリカ(PMO)の細孔表面 および (b)金属表面上に高密度に集積した単分子層の表面 を選択した。 その結果、領域内で開発されている金属錯体をナノメートルサイズの規則的な細孔構造を有するPMOの細孔空間に固定化することに成功した。また、平滑な金属基板上に高密度に金属錯体を集積する手法を応用して、領域内で開発されている金属錯体を固定化するための基盤材料の開発に成功した。得られた成果の一部について、国内外の学会等において発表を行った。また、共同研究をさらに進めるための研究打ち合わせを実施した。 今後は、担体表面の特性を活用した周辺反応空間の緻密な分子設計による特異な選択性の発現と制御を実現する計画である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
金属錯体の固定化手法の確立や進展を達成するなど、おおよそ当初計画した通りに研究課題を遂行しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、担体表面の特性を活用した周辺反応空間の緻密な分子設計による特異な選択性の発現と制御を実現する。加えて、領域内の共同研究および国際協同研究についても注力する。
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