2018 Fiscal Year Annual Research Report
多原子と多光子の強結合ハイブリッド量子系の研究
Publicly Offered Research
Project Area | Science of hybrid quantum systems |
Project/Area Number |
18H04293
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
青木 隆朗 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (10343146)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 量子エレクトロニクス |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度は、多原子強結合共振器QED系を構築した。 本研究では、多数の原子を同時に共振器にトラップ・結合させる必要がある。そこでまず、ウェイスト部の長いナノファイバー共振器を開発した。ナノ光ファイバーは、研究代表者が開発した、フレームブラシ法に基づく方法により作製した。研究代表者は、独自技術により、全長わずか23mm程度でありながら透過率99.7%以上(透過損失0.3%以下)の超低損失ナノファイバーの作成技術を確率している[特願2015-032026; R. Nagai and T. Aoki, Opt. Express 23, 28427-28436 (2014)]が、ここで作製したナノファイバーのウェイスト部の長さはわずか400μmであった。本研究では、トーチのスキャンプロファイルを最適化し、長さ3mm程度のウェイスト部を持つナノファイバーの作製技術を開発した。次に、作製したナノファイバー共振器を真空チャンバーに導入した。ここで、可能な限り多数の原子をトラップするため、従来のガラスセル型真空チャンバーではなく、新規に設計・作製した金属チャンバーを採用した。また、磁気光学トラップの四重極磁場を非対称なものとし、ファイバー軸方向の磁場勾配を通常より小さくした。このようにして、ナノファイバーのウェイスト部に沿った方向に長い形状の磁気光学トラップを形成した。さらに、磁気光学トラップ中の原子を、ナノファイバー導波光を用いた2色双極子トラップにロードし、多原子をナノファイバーのウェイスト部表面近傍にトラップした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通り、多原子強結合共振器QED系を構築できた。
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Strategy for Future Research Activity |
構築した多原子強結合共振器QED系を用いて、多原子の協同的分極と共振器電磁場の破壊的干渉による光子の完全アンチバンチングをはじめとする、多原子と多光子の強結合ハイブリッド量子系の物理を探求する。
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Research Products
(8 results)