2018 Fiscal Year Annual Research Report
Magnetoresistance of itinerant antiferromagnetic BaMn2Pn2
Publicly Offered Research
| Project Area | J-Physics: Physics of conductive multipole systems |
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| Project/Area Number |
18H04304
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| Research Institution | Tohoku University |
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Principal Investigator |
谷垣 勝己 東北大学, 材料科学高等研究所, 教授 (60305612)
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| Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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| Keywords | 反強磁性相互作用 / 遍歴電子系 / 負の巨大磁気抵抗効果 / スピン軌道相互作用 / pd混成相互作用 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、反強磁性遍歴電子系物質において、空間反転対称性（Space Inversion Symmmetry：SI）と時間反転対称性（Time Reversal Symmetry: TR）が同時に破れている（空間パリティx時間対称性 PT=SIxTRが保存されている）物質群において、動的な新しい興味ある電気磁気効果（Kinetic Electromagnetic Effect:KME)を探求する事である。
本研究では、その一つの重要な対象物質として、BnMn2Pn2（Pn：As, Sb, およびBi）を中心に研究を遂行した。この物質群は、面内と垂直方向に電子スピンが配向する反強磁性状態が基底状態であるが、遍歴電子に起因する電気伝導が同時に観測される状態を維持する反強磁性金属相が存在する物質で、PT=SIｘTR対称性が保存されているユニークな物質群である。本研究グループでは、この物質群に対して、磁気輸送特性を系統的に詳細に研究して、特異な巨大負性磁気抵抗（GNMR）と巨大正磁気抵抗(GPMR)の両方が電子系（pd-軌道混成バンド）と正孔系（d-バンド）で異なって発現する事を見いだした。
今回の結果：[１]巨大負性磁気抵抗（GNMR）[２]磁場（B）に誘起される金属化現象、[３]他の物質では観測されないユニークな磁気抵抗（MR）の異方的対称性を特徴とするGNMRおよびGPMRは、Pn元素のスピン軌道相互作用（SO)およびpd軌道混成(pd-HyD)と密接に関係する事が実験的に示唆される。今後、本物質系の巨大磁気抵抗現象の本質を理解すると共に、遍歴電流と磁気物性との相関を議論する事により、動的電気磁気効果への研究としての発展が期待される。本研究結果は、国際学会で発表するとともに、Physical Review Bの論文として受理された。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
遍歴反強磁性物質BnMn2Pn2（Pn：As, Sb, Bi）で、世界で初めて負の巨大磁気抵抗効果を見いだした。そして、その基礎物性を種々の実験から解明する事に成功した。論文は、physical Review Bに受理された。実験は、順調に推移している。
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| Strategy for Future Research Activity |
本研究で、BnMn2As2において興味ある巨大負性磁気抵抗(Gigantic Negative Magnetoresistance: GNMR)が存在する事を見いだした。BaMn2Pn2（Pn=As,Sb,Bi）物質群を系統的に研究する事により、GNMRがPn元素Pn元の種類と系統的な相関を示す事を確認するに至った。BaMn2Pn2（Pn=As,Sb,Bi）のGNMRは、スピン軌道相互作用(ζ)が大きくなる順に顕著になる傾向を示す。更に、本物質系で観測される、GNMRの磁場（B）の角度依存性を検討したところ、Bが2次元平面内にある場合にその方向によらず最大で、2次元導電面に垂直な場合に殆ど観測されなくなる顕著な異方性がある事がわかった。本実験のGNMRの対称性は、これまで報告されていない対称性を示す初めての実験結果である。本研究の今後の方針は、反強磁性遍歴電子系物質において、空間反転対称性（Space Inversion Symmmetry：SI）と時間反転対称性（Time Reversal Symmetry: TR）が同時に破れている（PT=SIxTRを保存する）物質群において、動的な新しい興味ある電気磁気効果（Kinetic electromagnetic effect:KME)を探求する事である。
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[Presentation] Giant magnetoresistance in BaMn2Pn2 (Pn = As, Sb, Bi)2019
Author(s)
Khuong Huynh,Takuma Ogasawara, Stephane Yu Matsushita, Taimu Tahara, Takanori Kida, Masayuki Hagiwara, Denis Arcon, Katsumi Tanigaki
Organizer
APS March Meeting 2019, Boston Convention and Exhibition Center (Boston, USA)
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