2019 Fiscal Year Annual Research Report
遍歴多極子と多極子超伝導体の発展
Publicly Offered Research
Project Area | J-Physics: Physics of conductive multipole systems |
Project/Area Number |
18H04332
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
池田 浩章 立命館大学, 理工学部, 教授 (90311737)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 物性理論 / 多極子 / 超伝導 / 第一原理計算 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの一連の研究から重い電子系に代表される多軌道系超伝導体においては,スピン1重項と3重項を一般化した多極子ペアが実現する可能性があることが分かってきた。そこで,重い電子系超伝導体を念頭にその電子状態をできるだけ正しく記述し,その上で非従来型超伝導が出現する可能性について検討した。代表的な重い電子超伝導体であるCeCu2Si2においては,懸案の超伝導の引力源として局所的な電気四極子ゆらぎが増強する傍証を得たが,期間内に電子状態を正しく記述することができなかったため,最終的な結論には至らなかった。現在進行系で取り組んでいる計算コードが完成し次第,再度検討する予定である。一方,同様に多軌道系でスピン軌道相互作用が強い超伝導体と考えられる層状BiS2超伝導体においては,Bi-Bi間に加えてBi-S間の引力も考慮することで、局所的なゆらぎから異方的なギャップ構造が出現する可能性があることが分かってきた。この系ではマクロ測定において等方的なギャップ構造が提案されているが、角度分解光電子分光においては非常に大きなギャップ異方性が観測されている。我々の計算からは,Bi-S間の相互作用が強ければ、実験的に見られるような異方的s波ギャップが得られ,実験を矛盾なく説明できる可能性があることが明らかとなっている。また,この系においては強いスピン軌道相互作用のために,相互作用の大きさによってはトポロジカル超伝導となる可能性もあり,今後の発展に興味が持たれる。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(8 results)