2018 Fiscal Year Annual Research Report
遮蔽効果を有する新しいスカラー場の探索実験
Publicly Offered Research
Project Area | Why does the Universe accelerate? - Exhaustive study and challenge for the future - |
Project/Area Number |
18H04343
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
神谷 好郎 東京大学, 素粒子物理国際研究センター, 助教 (90434323)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 未知短距離力 / 遮蔽効果 / ダークエネルギー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、冷中性子ビームとキセノン原子ガスの散乱角度分布を精密に測定し、既知の散乱過程による分布からのずれを評価することで、遮蔽効果を有する新しいスカラー場を探索することである。これまで、上記実験手法による未知相互作用の探索実験を進めてきており、1 nm の到達距離を持つ湯川型の相互作用に対して世界最高感度での探索実験を行ってきた。本実験では、その手法を踏襲しながら、カメレオン場と呼ばれるようなスカラー場を探索対象として実験の最適化を目指す。
当該年度においては、これまで取得してきた散乱データーの解析を進め、キセノンガス圧の変化による実験感度への影響を評価する手法を確立した。また、先に取得したデータにおいて、ビームラインの真空度と中性子フラックスモニターの運用に不安定な時間帯があることが判明し、不良箇所の同定と交換、修復を行った。本実験で必要とする安定性まで改善されたことを確認した。
また、本研究の目的とする遮蔽効果を有する未知スカラー場に対し、キセノンガスの圧力を変化させた際の遮蔽効果の強さを見積る。数値計算を用いて非線形方程式を評価するもので、いくつか近似方法による有効性を試し、実験の設計へ向けて応用する見通しがたったと言える。今後、予備実験を行い、開発してきた計算プラットフォームの検証を行っていく。今後予定する実験に向け、キセノンガスの圧力をより精度良く設定するために、安定化装置の開発を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ほぼ、予定通りの研究を遂行している。
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Strategy for Future Research Activity |
遮蔽効果を有する未知のスカラー場による散乱への影響を調べ、実験感度の高い実験設計を行う。
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