2018 Fiscal Year Annual Research Report
Study of new mwthod of cosmic shear analysis and its application to real data
Publicly Offered Research
Project Area | Why does the Universe accelerate? - Exhaustive study and challenge for the future - |
Project/Area Number |
18H04357
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
二間瀬 敏史 京都産業大学, 理学部, 教授 (20209141)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 加速膨張 / 暗黒エネルギー / 宇宙シア / ノイズ補正 |
Outline of Annual Research Achievements |
現在の宇宙の加速膨張を説明する最も有力な原因は、反発力を及ぼす暗黒エネルギーを導入することであるが、現在のところその理論的説明はほとんどされていない。したがって観測的に暗黒エネルギーの性質を調べることが急務であり、そのための観測プロジェクトが国内外で進行中、あるいは計画中である。観測方法として有力なのが宇宙の大規模構造の重力場がつくる弱い重力レンズによる遠方背景銀河形状の系統的な変形である。これを宇宙シアと呼ぶが、この項が非常に微小であるため背景銀河形状の精密測定が決定的に重要となる。本研究では、形状測定における大気揺らぎ、CCD素子上の光子ノイズなど様々な雑音の補正を第一原理から近似なしに行う方法を開発している。
現段階で大気揺らぎの補正、CCD素子上の光子ノイズの1次補正を行うことができ、従来用いられている銀河形状のモデルを使った補正法と優劣つけがたい精度まで補正できることを確認した。
また背景形状測定における形状の定量化について従来の測定量とはことなり背景銀河の中心付近にウエィトがかかる測定量を定義することによって雑音の影響の少ないレンズ信号が定義できることを示した。これによって従来、解析に用いられていなかった淡く小さな背景銀河も測定に用いることができ、その結果、解析に用いる背景銀河数が50%ほど増えることが予想され、統計誤差を減らすことができる可能性が得られた。宇宙からの観測では非常に暗く小さな天体数が増えることが予想されるが、それらの天体は従来の形状測定では使えないが、我々の定義した量を用いることで解析可能になることが予想される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
背景銀河の形状測定における誤差の一部の補正ができることが示され、少なくとも従来の銀河形状のモデルを使った解析法と同等の精度が達成できたことで、微小な宇宙シアを独立な2つの方法で観測できることになり、結果の信用性を高めることに寄与することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
我々の背景銀河の形状測定補正で残っている、CCD素子の光子ノイズの高次補正を確立することで、より高精度の宇宙シア観測を目指す。
また形状の定量化として、銀河の中心付近によりウエィトがかかる量で宇宙シア観測をおこなう理論的基礎研究を行い、すばる望遠鏡の観測データに適用を試みる。
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