2018 Fiscal Year Annual Research Report
Evolutions of water, chemistry, and thermal state of the Earth's mantle
Publicly Offered Research
Project Area | Interaction and Coevolution of the Core and Mantle: Toward Integrated Deep Earth Science |
Project/Area Number |
18H04372
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
木村 純一 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 地球内部物質循環研究分野, 分野長代理 (30241730)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | マントル / 熱進化 / 水進化 / 化学進化 |
Outline of Annual Research Achievements |
35億年前から現在までに噴出したマントル由来のマグマには,地球内部におけるマントルの水進化,熱進化,化学進化が記録されている.これを解読するため,初生マグマの化学組成から起源マントル中の(1)始源マントル・枯渇マントル・リサイクリング輝石岩の組成割合,(2)マグマを生成したマントルのポテンシャル温度・マグマ分離深度・部分融解度・含水量を同時に解析する計算アルゴリズムを用い,35億年の上部マントル物質と生成物理条件の変化を検討し,マントルの水,化学,および熱進化を明らかにする.そのため,計算アルゴリズムの開発し,太古代玄武岩の既存のデータから,マントルの水・化学・熱進化を明らかにする. 【1】地球史35億年間に噴出し,残存する玄武岩・ピクライトの既存文献資料を集約し,その化学組成データベースを構築した.中央海嶺ソレアイト玄武岩は上部マントルの平均的組成・条件を反映するものとし,ホットスポットアルカリ岩やピクライトはより深い(おそらく下部)マントルの情報を保持するものと仮定し分類する.データベースをもとに変質や変性作用の影響が少ない試料を選択する.【2】データベースから岩石の主成分・微量成分元素組成を用いてマグマの起源物質と生成条件(起源マントル物質の組成,起源マントルのポテンシャル温度,マグマ分離深度,部分融解度,含水量)を算出する計算アルゴリズムを開発した.開発には既存の計算コードOcean Basalt Simulator version 1 (OBS1)を用い,含水システムの計算ができるように改良し,OBS2モデルを構築した.【3】解析結果をもとに,地球史35億年の上部マントルの水進化,化学進化(始源マントル・枯渇マントル・リサイクリング海洋地殻の含有率),ならびに熱進化(マントルポテンシャル温度・融解深度・部分融解度)を明らかにして,論文執筆を開始した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
【1】化学組成データベース構築,【2】データベースから岩石の主成分・微量成分元素組成を用いてマグマの起源物質と生成条件(起源マントル物質の組成,起源マントルのポテンシャル温度,マグマ分離深度,部分融解度,含水量)を算出する計算アルゴリズムを開発,【3】解析結果をもとに,地球史35 億年の上部マントルの水進化,化学進化(始源マントル・枯渇マントル・リサイクリング海洋地殻の含有率),ならびに熱進化(マントルポテンシャル温度・融解深度・部分融解度)を明らかにして,論文執筆を開始した.
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Strategy for Future Research Activity |
得られたデータから,論文の執筆を実施し,成果の出版を行う.
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Research Products
(4 results)