2019 Fiscal Year Annual Research Report
官能基多重導入を指向したフッ素系中分子化合物の集積型合成
Publicly Offered Research
Project Area | Middle molecular strategy: Creation of higher bio-functional molecules by integrated synthesis. |
Project/Area Number |
18H04381
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
網井 秀樹 群馬大学, 大学院理工学府, 教授 (00284084)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 反応集積化 / フッ素 / カルボアニオン / ラジカル / フローマイクロリアクター / 中分子 / フルオロアルキル化 / 膜脂質 |
Outline of Annual Research Achievements |
有機フッ素化合物は,フッ素原子が醸し出す特異な性質により,医薬・農薬,並びに液晶等の機能性材料として注目を浴びている。フルオロアルキル基などの有機化合物への導入は,有機フッ素化合物合成における基幹技術である。特に,「求核的,およびラジカル的含フッ素官能基導入反応」は,合成化学的に汎用性が高いため,多岐に渡るフッ素化合物の合成に対し強力な手法である。本年度は、置換基多重導入を指向したフッ素化合物の集積型合成に関する研究を進めた。フッ素系中分子化合物の新しい合成法の開発を目指して、「複数の反応点を有する含フッ素カルボアニオン種、ラジカル種」の反応を開発した。まず、シリル基によって安定化された含フッ素カルボアニオンの発生とその反応を研究した。一般的に,α位にフッ素を有するカルバニオン種は,発生が困難であり,不安定である。フッ化ベンジルにより容易に得られるα-シリルフッ化ベンジルに対し、塩基存在下で種々のヨウ化アルキルを作用させると、ベンジル位がアルキル化されたフルオロベンジルシランが得られた。さらに,シリル基をフッ化物イオンで活性化して求電子剤との反応を検討した結果、フルオロメチルベンゼンのベンジル位に様々な置換基を導入できた。さらに、部分フッ素化リン脂質骨格を有する中分子化合物の選択的合成を目指し、マイクロフロー法による高効率的ラジカル付加反応を調査した。具体的には、フッ素化リン脂質分子の側鎖部分の多様化を目指し、反応点を2個有するジヨードペルフルオロアルキルを用いて、アルケンのペルフルオロアルキル化の反応制御を検討した。本反応では、フローマイクロリアクターの活用が、化学選択性向上には非常に有効であった。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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