2018 Fiscal Year Annual Research Report
多環式含窒素コア骨格と大環状構造を特徴とする海洋性中分子の合成研究
Publicly Offered Research
Project Area | Middle molecular strategy: Creation of higher bio-functional molecules by integrated synthesis. |
Project/Area Number |
18H04399
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
横島 聡 名古屋大学, 創薬科学研究科, 教授 (10376593)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 中分子 / アルカロイド / 大員環 / 多環式化合物 |
Outline of Annual Research Achievements |
ハリクロニンAの合成研究:これまで確立してきた、安息香酸を原料として用い、立体選択的アルキル化および分子内シクロプロパン化反応を鍵工程とした合成経路を用いて、十分量の基質の合成を行い、アザビシクロ[3.3.1]ノナン骨格および大員環の構築について検討を行った。基質に複数存在する酸素官能基を適切に区別しながら、窒素原子上に大員環形成の足がかりとなる炭素鎖をもつアミド結合の形成を行い、数段階の官能基変換を経てアザビシクロ[3.3.1]ノナン骨格の構築を行った。さらに第一級アルコール部位を酸化することで、アルデヒドを有する化合物を得た。アルデヒドα位の酸化を経て二重結合の導入を行い、さらに大員環構築の足がかりとなるアリル基の導入を行った。デンサニンBの合成研究:これまでに確立した方法、すなわちジブロモシクロプロパンの開裂による環拡大反応、2-ニトロベンゼンスルホンアミド部位とアルコール部位との分子内置換反応、およびエノンに対する共役付加反応を用いた第四級炭素を含むビシクロ骨格の構築を経る合成経路を更に改良し、十分量の基質の合成を行える合成経路を確立することに成功した。アシル基を介して結合させたアルデヒド等価体と窒素原子を用いた分子内Mannich反応を基盤とする含窒素五員環の構築は、望みとする化合物を得ることはできなかったが、ケトンα位のアシル化を経由する方法により、含窒素五員環をもつ化合物の合成を行うことに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでに得られている知見を活用し、さらなる環構造の構築に成功し、合成経路確立に向けて前進が見られた。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで得られた知見を活用し、さらなる環構造の構築、官能基の変換を進めることで、合成経路の確立を目指す。
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Research Products
(2 results)