2018 Fiscal Year Annual Research Report
Synthesis of oligosaccharide mimics with glycol-module method
Publicly Offered Research
Project Area | Middle molecular strategy: Creation of higher bio-functional molecules by integrated synthesis. |
Project/Area Number |
18H04420
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
三浦 佳子 九州大学, 工学研究院, 教授 (00335069)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 糖鎖高分子 / 糖モジュール / 表面プラズモン / ライブラリー / グリコサミノグリカン / ガングリオシド |
Outline of Annual Research Achievements |
ガングリオシド、グリコサミノグリカンなどの生理活性糖鎖は複雑な構造を有している。これを、分子認識性のモジュール構造に分割した上で、高分子のバックボーンで再構築することでオリゴ糖と同じような機能を発揮することを明らかにしている。 ガングリオシドの一つGM1について、糖モジュール法による再構築を行った。GM1は5糖からなるオリゴ糖の構造をしているが、これをバラバラの糖鎖構造に分割して、単糖またはオリゴ糖でモジュールとした。各糖モジュールを重合性のモノマーとして合成し、RAFTリビングラジカル重合によって高分子化した。得られた高分子末端をチオールに変換して、金基板に固定化して表面プラズモンイメージングによって、タンパク質との結合を解析した。非還元末端のシアル酸とガラクトースを有する高分子はコレラ毒素Bサブユニットと強く、特異的な結合を示した。また、ガラクトースと疎水性部位をモジュールとして高分子化すると、コレラ毒素Bサブユニットに対しては疎水性部位が結合増強効果を示して、モジュール的な働きをする、疑似オリゴ糖として働くことがわかった。 グリコサミノグリカンの機能を代替する物質として、硫酸化糖鎖をモジュールとして高分子化を行った。硫酸化糖鎖高分子を用いて、βセクレターゼの阻害機能を検討したところ、硫酸化糖鎖の密度と分子鎖長に顕著な依存性があった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ガングリオシドのモジュール化については極めて順調に進展しており、天然の糖のモジュール、疎水モジュールなどへと拡張することができた。硫酸化糖鎖については一部の糖が顕著な反応性を示している。 何れの場合も、設計した通りの糖鎖高分子ライブラリー合成が必須であり、モジュールとなる糖鎖構造については完全に予測することができなかった。本研究でSPRによるスクリーニングを実施することで上手く研究が進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究では、グリコサミノグリカンやガングリオシドといった糖鎖に限って、モジュールによる中分子構築が限定されている。他の研究者と共同することで、本方法を用いた生理活性中分子構築をさらに進めていく。 また、次年度研究では、糖モジュール法の研究を更に加速度をつけて進めるために、ライブラリー合成にPET-RAFT重合法を取り入れて、合成を容易にして、より多くの中分子モジュールが得られるように検討する。
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