2019 Fiscal Year Annual Research Report
磁気圏内衛星の海洋光学探査のためのパルス電子線照射による色中心導入と回復挙動
Publicly Offered Research
Project Area | Aqua planetology |
Project/Area Number |
18H04458
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
末松 久幸 長岡技術科学大学, 工学研究科, 教授 (30222045)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 色中心 / 塩化物 / パルス電子ビーム照射 / 低温 |
Outline of Annual Research Achievements |
エウロパでのNaCl の検知のため、我が国最大エネルギーのパルス電子線加速器”ETIGO-III”によるNaCl 単結晶への低温短時間電子線照射装置開発と、生じた色中心の回復挙動を測定した。 1)低温照射・吸光度測定装置開発 ETIGO-IIIに設置可能な77Kで照射可能な装置開発を行った。ステンレスおよび発泡スチロールの2種を比較した結果、発泡スチロール製では2MeVの電子による87%の線量を透過でき、かつ77Kを保持できる装置を作製出来た。次に、77K~室温で測定可能な吸光度測定装置開発を行った。光ファイバー、ハロゲン光源と分光器を組み合わせ、77Kで5時間の測定が可能な装置を開発した。 2)ドープしたNaClの低温電子線照射実験 純NaClや、K、CsドープNaCl単結晶を、高温からの徐冷により作製する手法を開発した。NaCl単結晶を用いて、低温でのパルス電子線照射と吸光度の温度、時間依存性を測定した。77Kで、2MeVでの照射の結果、460nmのF中心の吸収が大幅に上昇した。この77Kで4時間保持したところ、F中心による吸光度は時間の平方根に比例して減少した。一方F中心が2個結合したF2中心の吸光度はほぼ一定であった。F中心の拡散は200Kから始まることから、H中心の拡散によってF中心と再結合して消滅することが考えられた。この結果から、エウロパでのパルス電子照射が検知できれば、その後の光学測定で460nmのピーク強度の時間依存性により、200K以下のエウロパ上でもNaClの存在を検証できることが分かった。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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