2019 Fiscal Year Annual Research Report
室内・数値衝突実験による氷天体衝突時のエネルギー分配・化学反応過程の解明
Publicly Offered Research
Project Area | Aqua planetology |
Project/Area Number |
18H04464
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Research Institution | Chiba Institute of Technology |
Principal Investigator |
黒澤 耕介 千葉工業大学, 惑星探査研究センター, 上席研究員 (80616433)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 天体衝突 / 衝撃脱ガス / 水–有機物 / C型小惑星 / 二段式軽ガス銃 / 質量分析 / 小惑星探査 / リュウグウ |
Outline of Annual Research Achievements |
二段式水素ガス銃は, 惑星科学における重要素過程である天体衝突現象を調べる上で理想的な加速器の一つである. 2019年度までで二段式水素ガス銃を用いつつ, 銃由来の化学汚染を極力抑える実験手法を確立し, 衝突で発生するガス成分の気相化学分析を行う手順を確立した. 2020年度はこの成果を論文としてまとめ, 国際誌に報告した. 本手法をC型小惑星構成物質模擬試料を用いた衝撃脱ガス実験に適用した. C型小惑星は内側太陽系への水と有機物の主要な運び手であると考えられており, その起源と進化を探るべく, はやぶさ2, OSIRIS-RExといった小惑星探査の対象天体となっている. これらの探査からわかってきたことはC型小惑星であるリュウグウ, Bennuはその歴史を通じて様々な衝突現象を経験したこと, リュウグウはその歴史のどこかの時点で加熱を受け, 揮発性成分の大部分を失っていることである. そこでC型小惑星に内包される揮発性成分の衝撃に対する安定性を調べるべく, 系統的な衝撃実験を実施した. その結果, 衝撃によって放出される気体の主要成分はCO2であり, 小惑星帯における典型的な衝突速度の条件では衝突体質量の0.1 wt%程度の揮発性成分放出しか起こらないことが明らかとなった. 本研究の結果はリュウグウが揮発性成分を失った理由の一つとして挙げられている, 「リュウグウ母天体への多数の天体衝突による加熱説」を強く否定するものである. また実験の結果, 硫黄含有ガスの放出がほとんど起こらないことも明らかになった. これは天体衝突直下点の物質のS/C比が上昇することを意味する. 2020年末に地球に帰還するはやぶさ2がもたらすリュウグウからの回収試料を分析する際に天体衝突の痕跡を探す指標として有用であると期待される.
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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[Presentation] Enhancement of impact heating in strength-supported media2019
Author(s)
Kurosawa, K., Genda, H., Wakita, S., Davison, T., Hyodo, R., Nakamura, T.
Organizer
日本地球惑星科学連合大会
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