2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development of method for reliability evaluation for sparse estimation of material structure
Publicly Offered Research
Project Area | Discrete Geometric Analysis for Materials Design |
Project/Area Number |
18H04474
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
中島 千尋 東北大学, 情報科学研究科, 研究員 (40599122)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | データ科学 / スパースモデリング / 統計力学 / モンテカルロ法 |
Outline of Annual Research Achievements |
信頼性評価の手法を放射線測定を模倣した理論モデルの推定に応用し、電子線CTとほぼ同様の正誤判定が可能なことを検証した。電子線CTが離散値の再構成問題なのに対し、放射線源検知問題は連続値の再構成問題であり、また正則化項の形も異なる。そのため、これを通して同手法のより公汎な適用可能性が確認できた形になる。 また、ボンドカオス現象との関連について、明確な結論が得られていないため結果としては未発表であるが、連続変数における振る舞いを調べる過程で、データの欠損に対するリサンプリング推定結果の鋭敏性の振る舞いはボンドカオスと呼ぶにはやや鈍いことがわかった。しかしながら、カオス的と呼べるほどばらついてはいないとはいえ、初期値の違いに対する推定結果の変化は唐突かつかなり大きな規模(システムサイズに対する比率)で起こる。そのため、ある種のフラジリティはあると考えられる。今後はこのフラジリティのボンドカオスとは別の仕方での特徴付けを模索する。 電子線CTの観測データからのリサンプリングにおいて、実際にはデータが存在しない方向からの仮想的な射影を考え、ブートストラップ推定の結果を利用して仮想射影の結果の分散を計算した。射影軸の方向により分散の大きさは変わるが、軸が既存のもののいずれかに近い場合は分散の値は小さく、また既存のいずれの軸ともより直交に近い場合ほど分散が大きいことが見出された。これはリサンプリングに基づく分散の大きさが独立な情報の度合いと関連することを意味しており、この分散を情報取得の指標とすることによる観測の最適化への期待を根拠づけるものである。この結果をもとに、予測分散の大きくなる点をつぶすように計測を進めることで観測点の最適配置の実現をはかるアイディアに思い至った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
連続変数の場合等に対してもデータのリサンプリングによる分散を利用した正誤判別が実行できることを確認し、当初の目的に照らして拡張は出来ている。 データの欠損に対するリサンプリング推定結果の鋭敏性はボンドカオスではない可能性が見いだされた意味では当初の予想と異なるものの、継続して理論的な研究を行う余地がある また、研究を推進する過程で予測分散を用いた計測点の最適配置の問題意識を新たに得ることができ、新学術研究での連携により実データをもとに遂行できそうである。 これらの点を鑑み、全体的にはおおむね順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
予測分散を用いた計測点の最適配置の問題を放射線源検知の問題に応用し、実データに基づく研究に着手する予定である。また、データの欠損に対するリサンプリング推定結果の鋭敏性を特徴付けるための研究を継続する。
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