2018 Fiscal Year Annual Research Report
Investigating topology of lattice gauge theory with domain-wall fermion
Publicly Offered Research
Project Area | Discrete Geometric Analysis for Materials Design |
Project/Area Number |
18H04484
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
深谷 英則 大阪大学, 理学研究科, 助教 (70435676)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | トポロジー / 格子ゲージ理論 / ドメインウォールフェルミオン / 指数定理 |
Outline of Annual Research Achievements |
2017年、研究代表者と大野木哲也、山口哲は素粒子論でよく知られた手法を使って、Atiyah-Patodi-Singer (APS)指数定理と同じ結果を与える新しい定式化を見出した。非局所的境界条件を必要とせず、ドメインウォールフェルミオンとして知られるトポロジ カル絶縁体のよい模型となる演算子を用い、 APS と同じ結果を与える物理量を定式化した。この研究は数学者からも大きな反響を呼び、指数定理の専門家である古田幹雄、松尾信一郎、山下真由子が共同研究に加わり、物理、 数学の分野をまたがる共同研究へと発展した。その結果、「任意の偶数次元多様体で与えられる APS 指数に対し、 それと同じ結果を与えるドメインウォール フェルミオンの演算子が存在する」ことの 数学的証明を与えることができた。具体的には一次元高い仮想的な時空を用意、そこで曲がったドメインウォールを考えることにより、その時空上でのDirac 演算子の指数が2通りの手法で評価できることを証明、その一方が従来のAPS指数、もう一方がドメインウォールフェルミオンDirac 演算子のeta 不変量になることを示した。さらにこの研究を格子ゲージ理論で定式化することにも成功し、奇数次元のmod-two指数でも同様の定式化が可能であることを示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
代表者ら物理学者3名と、日本を代表する数学者3名と分野をまたいだ共同研究へと発展し、曲がった時空間の指数定理について任意の次元でAPS指数をドメインウォールフェルミオンで記述できることの数学的証明を与えることができた。この研究成果は、4次元で正方格子上の格子ゲージ理論のみを想定した、当初の研究計画を上回る成果である。
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Strategy for Future Research Activity |
格子理論における指数定理の、数学的に厳密な定式化を目指す。また、奇数次元バルク、偶数次元エッジの系のアノマリー流入についてもドメインウォールフェルミオンを用いた定式化を目指し、アノマリー降下方程式のフェルミオンを用いた理解を深める。
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