2018 Fiscal Year Annual Research Report
Materials Exploration by Crystal Structure Prediction Using Particle Swarm Optimization and Evolutionary Algorithm
Publicly Offered Research
Project Area | Discrete Geometric Analysis for Materials Design |
Project/Area Number |
18H04488
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
辻 雄太 九州大学, 先導物質化学研究所, 助教 (80727074)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | エレクトライド / 粒子群最適化 / 第一原理計算 / データベース |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では粒子群最適化アルゴリズムを用いた新規物質の探索を主目的としている。それに加えて、数理科学的な手法を駆使して新しい物質の探索および既存の物質の電子状態の理解を目的としている。 本年度は、まず粒子群最適化を用いたアルカリ金属亜酸化物に着手した。粒子群最適化の結果Liの亜酸化物は熱力学的な安定性を満足しないということが明らかとなった。しかしながら、Rbの亜酸化物については熱力学的な安定性を満足するということがデータベーススクリーニングによって明らかとなった。現在はその電子状態の解明を進めているところである。途中状況としては、自由電子の海の中にカチオン性のアルカリ金属酸化物クラスターが浮いているような構造が示唆されている。 上記の研究と並行して、ベイズ最適化による表面物性の最適化にも取り組んできた。こちらは情報科学手法の物質探索への応用という観点で本研究と関連する課題である。本研究課題では、バルクの物性情報のみを用いて表面物性を予測するという非常にチャレンジングな試みであったが成功裏にいくつかの興味深い物質が発見された。現在、この成果について論文作成を進めているところである。 上記の研究と並行して、データベースの情報に基づいて新規物質の探索を行う試みを進めている。データベースには既存の物質として密度やバンドギャップなど豊富な情報が登録されているので、それらを有効活用しターゲット物質の性質の記述子を開発し、スクリーニングを行ったところ、本研究課題の重要なターゲット物質である新規のエレクトライドが発見された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
新規の電子物性をしめすアルカリ金属亜酸化物の電子状態の解明に成功した。統計数理的な手法に基づいて表面物性の最適化にも成功した。さらに、新規の記述子に基づくデータベーススクリーニングを実施し、これまで見つかっていなかった新規のエレクトライドを発見した。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究でターゲットとした数理的手法に基づいた新規のエレクトライドの探索は順調に進んでいる。今年度は主に、前年度に得られた新規のエレクトライドの電子状態を第一原理計算を用いて解明する。さらに、粒子群最適化によって不安定であると判定された相について詳細な解析を行ってその電子物性を明らかにする。
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