2019 Fiscal Year Annual Research Report
金属酸化物ソフトクリスタルの創製と機能制御
Publicly Offered Research
Project Area | Soft Crystals: Science and Photofunctions of Easy-Responsive Systems with Felxibility and Higher-Ordering |
Project/Area Number |
18H04500
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鈴木 康介 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 准教授 (40595667)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ナノ材料 / 金属酸化物 / ポリオキソメタレート / 磁性 |
Outline of Annual Research Achievements |
金属酸化物は組成、構造、電子状態、金属間相互作用に応じて特異な光学特性、磁気特性、イオン伝導性、触媒特性等の多様な性質を示す。そのため、外部刺激による構造や特性の制御ができれば、センサーや記録材料等の高機能材料の開発が期待できる。本研究では、申請者が開発してきた金属酸化物クラスターの精密無機合成技術を基盤とした「金属酸化物ソフトクリスタル」を創製することを目的としている。 本年度は、前年度に開発したVMn4クラスターの結晶内分子配列制御と磁気特性評価を進めるとともに、新たなカチオンとの複合化や、新規金属酸化物クラスターの合成を行った。VMn4クラスターは、テトラブチルアンモニウムカチオンとの複合結晶を形成する際に用いる溶媒を変えることにより、結晶内の分子配列を制御することができた。1,2-ジクロロエタンを溶媒として用いると分子配向が揃った結晶(結晶1)が得られたのに対し、ニトロメタンを溶媒として用いると2種類の分子配向を有する結晶(結晶2)が生成した。どちらの結晶においても、VMn4クラスターの分子構造は変化がなく、また、分子間距離は10 Å以上離れていた。直流磁化率測定を行ったところ、結晶1では、わずかな外部磁場によって長距離分子間強磁性相互作用が発現する特異な現象が観測された。一方、結晶2においては、このような分子間相互作用は観測されなかった。また、VMn4クラスターよりもスピンが小さなFeMn4クラスターでは、分子配向が揃った結晶においても、分子間強磁性相互作用は観測されなかった。以上より、高スピン分子が結晶内配向することで、長距離の分子間強磁性相互作用が発現することが分かった 。また、これらの結晶に溶媒蒸気を暴露することにより、磁気特性を制御できることも見出した。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(6 results)