2018 Fiscal Year Annual Research Report
Single-particle emission observation of stimulation-induced structural changes of soft crystals
Publicly Offered Research
Project Area | Soft Crystals: Science and Photofunctions of Easy-Responsive Systems with Felxibility and Higher-Ordering |
Project/Area Number |
18H04517
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
立川 貴士 神戸大学, 分子フォトサイエンス研究センター, 准教授 (20432437)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ソフトクリスタル / 有機無機ペロブスカイト / メカノクロミズム / 蛍光顕微鏡 / 単一粒子分光 / 光化学 |
Outline of Annual Research Achievements |
有機無機ペロブスカイトや機械刺激や温度などに応答する有機もしくは無機ソフトクリスタルの構造-発光変化を各種顕微鏡によって観測し、そのメカニズムについて検討した。特に、構造が変化するその時々の発光挙動を相互に追跡することで、通常ではバルク試料の中に埋もれてしまう構造転移の素過程を捉えた。イオン交換反応は、結晶モルフォルジーを変えることなく化学組成や物性を変化させることができる。ハロゲン交換反応によって合成したBr-I混合ハロゲン型ペロブスカイトの蛍光寿命を解析し、数ナノ秒の時定数で発光の立ち上がり成分が、表面に捕捉された正孔が生成するバンド曲がりに起因していることを明らかにした。また、CH3NH3PbBr3ナノ粒子の単一粒子電気化学顕微発光観測から、光照射、酸素、印加電圧が電荷キャリアダイナミクスに及ぼす影響を明らかにし、関係する欠陥のエネルギー準位を決定することに成功した。ソフトクリスタルとはマクロな低刺激に応答し、構造変化や相転移を起こし、目に見える特性が変化する物質群のことである。近年、ソフトクリスタルの開発は進んでいるが、構造変化のメカニズムについては未だ不明な点が多い。本研究では、発光性メカノクロミック分子の機械刺激応答をその場観測できる蛍光顕微鏡システムを開発した。このシステムを用いてソフトクリスタルの発光挙動を単一粒子レベルで追跡することにより、過渡的な構造変化と励起ダイナミクスを特徴付けた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
有機結晶に対し機械刺激を行いながら蛍光観察ができるシステムを早期に構築することで領域内共同研究を大きく進展できた。以上の理由から、本研究は当初の計画以上に進展していると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
開発した機械刺激蛍光顕微鏡を活用し、共同研究を推進する。また、新たに作製したフローシステムを用いて、有機無機ペロブスカイトナノ粒子における構造転移を単一粒子レベルで明らかにする。
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