2018 Fiscal Year Annual Research Report
Investigation of drug transport system at the human blood-brain barrier based on the reconstruction of multimolecular crowding transport system
Publicly Offered Research
Project Area | Chemical Approaches for Miscellaneous / Crowding Live Systems |
Project/Area Number |
18H04534
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
内田 康雄 東北大学, 薬学研究科, 講師 (70583590)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 輸送分子夾雑系 / 血液脳関門 / トランスポーター / プロテオミクス / タンパク質絶対発現量 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒトの血液-脳関門の薬物輸送システムを解明することは中枢疾患治療において重要な課題である。輸送システムを担うトランスポータータンパク質のin vivoでの輸送機能を構成する要素[タンパク質存在量(mol)、単分子あたりの輸送機能(/mol)、その他調節因子]を解明し、要素の積み上げによってヒトの血液-脳関門のトランスポーターの輸送機能を再構築し、分子夾雑系である「ヒトの血液-脳関門の薬物輸送システム」を解明することを目的とした。分子夾雑系である「血液-脳関門の薬物輸送システム」の解明にむけて、平成30年度は先ず、正常マウスを用いて、個々のトランスポーターについて、分子夾雑環境であるin vivoの血液脳関門における輸送機能を構成する要素を調査した。P糖タンパク質について、高発現させたin vitro細胞株とその親細胞株(発現させていない)を用いて、典型的な基質である化合物に対する輸送速度を計測し、高発現株と親細胞株の差からトランスポーターの輸送活性を求めた。最新の液体クロマトグラフィ接続型質量分析装置を用いて、その細胞株における該当トランスポータータンパク質の存在量を定量した。輸送活性を存在量で割ることによって、1 molあたりの輸送活性を解明した。1 molあたりの輸送活性を、マウスの血液脳関門におけるトランスポーターのタンパク質存在量(mol)と統合することによって、in vivo血液脳関門での輸送活性を再構築した。マウスを用いて、基質化合物が血液脳関門を通過する速度を実測した。該当トランスポーターの輸送活性を算出した。再構築した値がこの実測値と一致した。従って、トランスポーターのin vivoでの輸送機能は、血液脳関門における存在量(mol)とin vitro系で測定される1molあたりの輸送活性、という大きく2つの要素によって再構築できることが明らかとなり、in vivo血液脳関門の各種トランスポーターの輸送機能を解明する普遍的な方法論を構築できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初計画より前倒しで進めることができており、2年目の計画も一部着手できているため。
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Strategy for Future Research Activity |
正常の血液脳関門のトランスポーターの輸送機能を再構築することができたため、今後は、病態時における輸送分子機構の変動時において、それら輸送分子機構を再構築し、血液脳関門の輸送分子夾雑系を形成している構成要素の全容を解明する。
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