2019 Fiscal Year Annual Research Report
分子夾雑環境におけるタンパク質の金属イオン獲得メカニズム
Publicly Offered Research
Project Area | Chemical Approaches for Miscellaneous / Crowding Live Systems |
Project/Area Number |
18H04564
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
古川 良明 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 准教授 (40415287)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 銅シャペロン |
Outline of Annual Research Achievements |
生体内において、銅イオンは様々なタンパク質に結合し、酸化還元活性の中心として機能している。一方、遊離状態の銅イオンは、細胞にとって有毒な活性酸素種を生成することが知られている。そのため、細胞内のほぼ全て銅イオンは何らかの生体分子に結合した状態で存在しており、遊離状態の銅イオンは細胞1つあたりわずか1個程度だと言われている。このような生体内環境において、細胞内に取り込まれた銅イオンは、「銅シャペロン」と呼ばれる銅イオン運搬タンパク質に結合することで、銅イオンを必要とする種々のタンパク質へと供給される。代表的な銅イオン結合タンパク質である銅・亜鉛スーパーオキシドディスムターゼ(SOD1)は、銅イオン、亜鉛イオンを結合し、分子内でS-S結合を形成することで活性化する抗酸化酵素である。SOD1は銅シャペロンCCSから銅イオンの供給を受けることが知られている。実際に、CCS遺伝子を欠損させた酵母やマウスにおいて、SOD1の活性が消失、あるいは、著しく減少することが報告されている。また、生体から抽出したSOD1には銅イオンが1対1で結合していることから、生体内の全てのSOD1がCCSから銅イオンを供給されていることが考えられる。例えば、SOD1に対してCCSと銅イオンをどちらも添加した場合、銅イオンのみを添加した場合に比べて、SOD1の活性が劇的に上昇することが報告されている。しかし、試験管内で活性化したSOD1に関して、酵素活性の定性的な評価は多くなされているものの、CCSによる銅イオンの供給を定量的に評価している報告はほとんどなく、実際にSOD1に結合した銅イオンの量は不明瞭となっている。本研究では、銅イオンのキレート剤であるBCSを利用することで、SOD1に結合した銅イオンを簡便に定量できる手法を確立し、CCSによるSOD1への銅イオン供給反応について定量的な評価を試みた。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(16 results)