2019 Fiscal Year Annual Research Report
Systematic searches for soft-gamma-ray remnants of gravitational-wave astronomical objects in our Galaxy
Publicly Offered Research
Project Area | Gravitational wave physics and astronomy: Genesis |
Project/Area Number |
18H04571
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
寺田 幸功 埼玉大学, 理工学研究科, 准教授 (90373331)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 重力波天体 / 中性子星合体 / 重元素合成 / 核ガンマ線観測 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、太陽系近傍の中性子星合体イベントの発生頻度を定量化すべく、中性子星合体の現場で合成される核子のうち、長寿命核からの核ガンマ線輝線に着目し、中性子星合体残骸の痕跡を探査することである。 2019年度は、前年度に確立したINTEGRAL衛星の観測データ解析を進めた。銀緯15度以内の銀河面における合計 72,000観測、108メガ秒の観測を繋ぎあわせて、r-process 過程で合成された不安定核が出す核ガンマ線帯域の画像を元に、141個の核ガンマ線候補天体を抽出した。候補天体それぞれのガンマ線エネルギースペクトルを確認し、複数の不安定核輝線らしき構造は確認できたが、統計的に有意な天体は無いことが分かった。 並行して、中性子星合体残骸からの核ガンマ線推定も進めた。中性子過剰環境毎の合成核の予測を元に、中性子星合体の際に生成される不安定核を予測し、その全てに対して、JENDLの原子核データベースを元に元素崩壊計算を行い、核ガンマ線の時間発展を、爆発後1,000,000年まで追った。強度の強い不安定核だけでなく全ての核を網羅した点が新しい。中性子星の存在確率と合わせ、INTEGRAL衛星感度での探査の結果から、約 6,000 event/Myear/銀河 の上限を付けた。これは 約10^4 events /year /Gpc3 ていどの上限に相当し、超新星発生頻度程度のゆるい制限となった。 本研究では、現存のガンマ線衛星の感度が不足するために、中性子星合体残骸の痕跡を見つけることはできなかったが、本研究で推定した残骸の核ガンマ線強度から、将来のガンマ線観測に必要な感度目標(約 10^-8 -- 10^-7 photons /cm2 /s for 30 event /year /Gpc3 検出)を定量的に示すことができた。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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