2018 Fiscal Year Annual Research Report
Preparation of new facility for the optical follow-up observation
Publicly Offered Research
Project Area | Gravitational wave physics and astronomy: Genesis |
Project/Area Number |
18H04576
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
峰崎 岳夫 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 准教授 (60292835)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 光赤外線 / 観測装置 / 重力波 / 光学対応天体 |
Outline of Annual Research Achievements |
重力波の発生源を特定し重力波を軸とした天文学研究をさらに発展させていくためには電磁波によるフォローアップ観測が重要である。本研究は日本の重力波天体の光赤外線フォローアップ観測のための新拠点として、米国アリゾナ州マウントレモン観測所にて運用再開予定の口径2m MAGNUM望遠鏡と可視赤外線多波長カメラ(MIP)の観測体制の整備を目的としている。 MAGNUM望遠鏡は観測装置 MIP を搭載し、かつてハワイにて1999年から2008年に観測運用を行い、ガンマ線バースト現象の光学対応天体のフォローアップ観測などでも成果を上げてきた。しかし製作してから約20年が経過し、とくに計算機やエレクトロニクス部品については交換部品が入手不能な状況にある。そこで今後の長期の運用期間を視野に光赤外線観測拠点として整備していくために MIP のエレクトロニクスおよび機械駆動系について新しいシステムを導入することに決め、本年度は MIP 全体の機械系・冷却系の確認と整備のほか、新しい検出器制御エレクトロニクスおよびフィルター駆動システムを選定し、これらの部品の調達と製作を開始した。検出器制御システムについては長期的な運用に備え、もっとも故障しやすくかつ更新の速い計算機部分のアップグレード交換に容易に対応できるようなシステムを採用した。このシステムはさらに複数の検出器に汎用的に対応できるため、将来的により高性能な検出器への交換にも容易に対応できるものを選定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究課題申請時には米国アリゾナ州マウントレモン観測所における MAGNUM 望遠鏡および MIP カメラの遠隔観測システムの整備を予定しており、MIP の整備・改修については他の予算を予定していた。残念ながら後者の予算申請が不採択であったため、本研究課題で MIP の整備・改修を優先して進めることにした。このため、重力波天体の光赤外線フォローアップ観測の拠点整備という本質的な目的の観点からは、進捗に遅れが生じている。 MIP カメラの整備・改修についてはおおむね順調に推移している。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度もMIP カメラの整備・改修を継続する。 検出器制御エレクトロニクスについては部品の調達・製作を完了し、新しい検出器システムにて検出器読み出し試験を開始する。フィルター駆動システムについては制御ソフトウェア開発を行う。これらの MIP 駆動システムの完成後は、光学系および検出器の性能評価を行い、それぞれの経年変化の程度と観測への影響を検証する。このほか MIP について各種の動作試験を行い、長期安定運用のため必要に応じて随時整備・部品交換を進める予定である。また、MAGNUM 望遠鏡が再建される予定のアリゾナ大学マウントレモン観測所のスタッフとの打ち合わせも随時行なう予定である。
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