2018 Fiscal Year Annual Research Report
新しい重力波の時間周波数解析法で探る超新星爆発メカニズム
Publicly Offered Research
Project Area | Gravitational wave physics and astronomy: Genesis |
Project/Area Number |
18H04577
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
河原 創 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 助教 (90649758)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 時間周波数解析 / 重力波 / 超新星爆発 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、新しい時間周波数解析手法であるS-method (Quadratic Time Frequency Analysis以下Quadratic TFA)をCCSN(Core Collapse Supernova)のシミュレーションから生成された模擬重力波に適用し、これまで発見されていなかった新たなモードを二つ発見した。これらのうち一つは徐々に周波数が下がっていくモード(モード C)であり、もう一つは知られていた準定常成分の倍音である(モード D)。またQuadratic TFAはモードのトラッキングに有効であることもわかった。また、S-methodを介してQuadratic TFAでの偏光解析手法を開発し、これも適用することで、模擬重力波がどのような偏向成分からなるかを示した。モードCは、知られているモードAと同様にランダムな偏向パターンの変動があり、g-mode由来を疑わせる結果となった。準定常成分(モードBとモードD)についての偏向パターンは、PNS(原始中性子星)の振動からなる偏向パターンと一致していることを示し、これら準定常重力波はPNS core oscillation由来であるとの結果を得た。この準定常重力波の周波数は、SASI (standing accretion shock instability)の周波数のちょうど倍程度(モードB)であり、なんらかの関係性が示唆される。これらの結果はアストロフィジカル・ジャーナルに発表され、論文となった。また、周波数解析コードJuwvidを公開し、同様の計算に用いることができるようにした(https://github.com/HajimeKawahara/juwvid)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初、計画書に書いた計画、すなわち、超新星爆発の重力波シミュレーションのモード解析と偏向モード解析手法の開発はほぼ完了した。またこれらについての結果も査読付き論文誌で発表したため。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究では、未知の波形の重力波の時間周波数解析の手法について検討しているが、そもそも未知の波形の検出自体について考えることが必要である。本年度は、機械学習手法をとりいれ、未知の波形検出を効率的に検出する方法を模索したい。
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